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AI×マーケティングで未来を拓く

デジタル庁の実証実験から見えた有効な生成AI活用の道筋

山根宏彰氏(富士通)

生成AIの台頭により、業務の効率化が実現するとともに、メディアの在り方や、企業と生活者の接点の作り方をも変えるような大きなインパクトが予測されます。マーケターは、これらの技術をどのように受け入れ、業務に生かしていけばいいのでしょうか。13回目となる今回は、デジタル庁の実証実験からみる生成AI活用について富士通の山根宏彰氏が解説します。

デジタル庁の実験から見る生成AIの日常業務の効率化

前回に引き続き、有効なプロンプトエンジニアリングと生成AIのビジネスへの利用について、最新の知見を交えて詳しく解説していきたい。今回はデジタル庁が公開している大掛かりな実証実験について紹介する。この、デジタル庁が2023年12月から2024年3月にかけて実施した生成AI利活用検証事業は、13府省庁・26自治体の職員767人および共創PF Slack上で158人が参加する大規模なものであり、行政業務における生成AIの可能性と課題を明らかにした。この実証実験から得られた知見について、3つの重要ポイントに再構成して解説する。

1.業務効率化と品質向上の両立

生成AIの導入は、単なる業務効率化だけでなく、業務品質の向上にも大きく寄与する可能性が高いことを明らかにした。利用者の90%以上が業務効率化・成果物の品質向上に効果があると回答し、利用頻度が高いユーザーほど効果を強く実感する傾向が見られた。パブリックコメント対応業務では、年間約610万円のコストで50,000時間もの業務削減効果が見込まれているほか、…

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