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ブランドが持つ社会的な価値を起点に 消費者との会話を創出し、維持していく

We Are Social Japan

We Are Social(WAS)は2019年に日本で事業を開始し、社会的インパクトという視点からアイデアを開発する、グローバルなクリエイティブ・エージェンシーだ。同社は、「Ideas Worth Talking About(人々が話す価値のあるアイデアを)」という信条のもと、それぞれのブランドやサービスが社会に果たす役割を明確化し、「どうすれば人々が各ブランドについてもっと話してくれるのか?」という独自の視点に立ったクリエイティブアイデアを提供している。企業やブランドがとるべきコミュニケーションのポイントについて、同社の澤崎慎介氏、Fabien Delmotte氏、Shriya Rokade氏に聞いた。

東京・下北沢にある同社オフィスの壁画は銭湯絵師・田中みずき氏が手掛けた。

双方向のソーシャルメディア“ならでは”のクリエイティブとは

―事業概要を教えてください。

Fabien:We Are Socialの事業の中核はデジタル、ソーシャルメディアを活用したコミュニケーションですが、インフルエンサーマーケティングから、イベント、PR、トラディショナルアドまで、幅広くサービスも展開しています。We Are Socialという名前からソーシャルメディアのコミュニケーションに強いエージェンシーであると認識されがちですが、それは私たちの能力の一部にすぎません。

私のクリエイターとしてのキャリアがスタートした2011年頃は、Facebookの注目度が高まり、ソーシャルメディア広告元年と言える年でした。その後、毎年のようにコミュニケーショントレンドや手法が変遷。しかし、どのようなプラットフォームが流行しコミュニケーションスタイルが移り変わろうとも、「そのブランドやプロダクトは社会的にどのような価値を持つのか」を起点にアイデアを考えることには変わりありません。

―ロンドン本社をはじめ、世界中に19のオフィスを持たれていますが、日本市場の現状はどのように捉えていますか。

澤崎:ソーシャルメディアを使ったコミュニケーションでは、他国に比べ若干後れを取っているように感じています。未だに日本企業の多くは、従来のプリント広告やテレビCMとほぼ同じ感覚でソーシャルメディアを活用しています。それ自体は決して間違いではありません。しかし、ソーシャルメディア本来の価値を半分程度しか生かせていないとも言えます。ブランドや製品に対してオーディエンスの自発的な会話を促したり、双方向の会話を通じて、ブランドのパーソナリティーを維持できてこそ、あえてソーシャルメディアをコミュニケーションに活用する意義があると思います。

個性あるメンバーによってヒューマンインサイトを掘り下げる

―他のエージェンシーやコンサルティング会社にない、WASならではの強みは何ですか。

Shriya:約50%の従業員が国外出身者、100%の従業員がバイリンガルと、さまざまなバックグラウンドや豊富な経験を持った個性的なメンバーが揃っています。互いを認め合いながらアイデアを議論するカルチャーがあり、自由でユニークなクリエイティブを生み出せる環境にあります。

澤崎:あえて、さまざまなバックグラウンドのメンバーを集めることで、日本のごく一部の人にしか刺さらないローカルなインサイトではなく、ユニバーサルなインサイトを掘り下げるのに適した環境を整えています。人類に共通するヒューマンインサイトこそ、最も引力が強いインサイトですからね。グローバルエージェンシーで、自らのマーケットのみをカバーするエージェンシーは複数ありますが、日本のいちローカルオフィスがグローバルキャンペーンを主導することができたのは、WASならではのユニークネスかもしれません。ローカルオフィス同士のつながりも非常に強いです。

Shriya:私は、ユニクロのアカウントエグゼクティブとして、「unfelt sensations」キャンペーンを担当しました。目的は、穿いた瞬間に「おっ!」となる、言葉では表現しづらい「エアリズムウルトラシームレスボクサーブリーフ」ならではの穿き心地に興味を抱かせ、店頭に足を運んでもらうこと。そこで、この人間の想像を超えた下着が、世界中で大騒動(sensations)を巻き起こしているという、現実仕立てのショートフィルムを制作しました。「通気性、超軽量、伸縮性」など、言葉の型に無理やり当てはめるのではなく、人々の想像を掻き立てる誇張表現で、「どんな穿き心地なんだろう?」と想像し、話題にしてもらうことにプライオリティーをおきました。店頭での下着の試着は難しいからこそ、実際にブリーフを購入してトライしてみようと思わせる点がポイントでした。結果的に世界中にバズを生み出すことに成功しました。

Fabien:膨大なコンテンツで溢れているソーシャルメディア上では、インパクトがないクリエイティブは1秒でスワイプされてしまいオーディエンスにリーチしない。私たちは日本も海外も関係ない、“ひとつの世界”として、言葉がなくとも誰しもが理解できるコンテンツがつくれることも強みですね。

―今後の展望を教えてください。

澤崎:ブランド活動において、人々との会話を創出し、維持していくことが今後より重要になると考えています。ソーシャルメディアは、近年最も注目されている媒体のひとつですが、決して魔法のツールではありません。バズよりも大事なことは、生活者に商品やブランドについて話してもらい、さらに継続的な会話を通じて、理想のブランド像を形成していくこと。そのために必要な戦略開発、また打ち出すべきメッセージやクリエイティブ開発において、企業様のお力になれればと思います。

① ユニクロ/グローバルキャンペーン「unfelt sensations」

同キャンペーンでは遊び心に溢れたInstagram動画シリーズを公開。同社は、3D CGIと現実をミックスし、遊び心あふれる3つのビデオストーリーを制作、世界中の視聴者に驚異的な軽さと伸縮性を伝達した。

② アディダス ジャパン/「明日への一歩を踏み出そう。」

コロナによって人々が失った歩数を提示し、ランニングアクティビティーを、どんな災難も、人間の根本的な権利(走ること)を奪うことはできないという強い宣言と定義し、ソーシャルメディアを通じて多くのランナーを巻き込むことに成功した。

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