ビジネス、特にマーケティングにおいて自分や他人の感情を把握することも重要なことのひとつではないだろうか。昨今注目されている「EQ(Emotional Intelligence Quotient)」とは、“感情能力”、つまり、自分と相手の感情を把握し、その場の状況に応じて適切に感情をコントロールして、思考や行動を導く能力のことである。今回、28年間で47万人以上に実践してきたEQコーチの実績をもとに、EQの基礎となる考え方などについて、ジャパンラーニング 代表取締役の加来勝正氏が解説する。
ビジネスで成功する人は「感情を扱う能力」を有している
「あなたはいま、どんな感情ですか?」
1995年、EQ理論の生みの親であるピーター・サロベイ博士に初めてお会いしたときに、こう問いかけられたことを強く覚えています。「何をしている?」や「なぜしている?」を聞かれることはあっても、「どんな気持ち?」を問われたことはほとんどなかったからです。
今この瞬間の自分の「感情」を正しく認識すること。その「感情」を利用して、自らを「次の行動」に導くこと。ビジネスで成功している人は皆、この「感情を扱う能力」を高いレベルで有しています。そして、その能力は、決して生まれ持ったものではなく、トレーニングによって後天的に高めることができる「スキル」なのだと彼は話してくれました。
これが私とEQ =(Emotional Intelligence Quotient)との出会いでした。
EQの誕生は、エール大学のピーター・サロベイ博士とニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士が…