マーケティング業界では、業界ならではの用語が多くある。特にデジタルマーケティングに関する用語は横文字が多く、新任の方は戸惑うことも多いのでは。そこで新しくデジタルマーケティング担当になった人にもわかりやすく理解できるよう、Hakuhodo DY ONE 執行役員の青山友樹氏が解説する。
変化の激しい時代ですが、私は時代が変わっても変わらない、マーケターの基礎スキルは「妄想力」だと思います。「こうやったらうまくいくのではないか?」「もしかして、うまくいかないのはあれが原因なのではないか?」このように発想することから、マーケティングは始まります。仮説を継続的に磨き続けることで、ユニークでワクワクするアイデアが生まれ、それが生活者に新しい価値を提供することにもつながるのです。
一方、時代が変わる中で新たに必要とされているマーケターに必須な基礎スキルは、「生成AIへの対応と人間性への回帰」ではないでしょうか。生成AIは間違いなくマーケティングを大きく変える、現代の新たな潮流です。すでに生成AIが搭載された多くのマーケティングツールが登場し、 プランニングや制作の現場を変え始めています。ぜひ積極的に活用し生成AIの特性や進化を理解しましょう。そして「AIには代替不可能な、人間だからこそ生みだせる価値は何か?」 という問いに向き合いながら、人間らしい仕事をしていきましょう。
さて、ここからは、最近異動になった新任の担当者にも伝わるよう、デジタルマーケティングに関わるすべての人が知っておきたい10の単語を解説付きで紹介していきたいと思います。
➊ KPIツリー
KPIツリーとは、目標を因数分解し具体的な指標に分けて展開する方法です。例えば、企業の重要目標が「売上の増加」であれば、その下位指標には「顧客数の増加」「平均購入額の増加」「リピート率の向上」などがあります。各指標をさらに細分化し、ボトルネックを特定して具体的なアクションプランにつなげることで、効果的な目標達成に向けた業務遂行が実現できます。KPIツリー自体はデジタルマーケティング以前からある言葉ですが、特にデジタルマーケティングと相性がよく、必ず覚えておきたい思考方法です。…