昨今の生成AIの台頭により、レコメンドエンジンやチャットボットなど、顧客一人ひとりのニーズや好みに合ったアプローチを適切に行っていくための技術の進化がさらに加速している。そうした情報を受け取る生活者側の価値観やリテラシーも変化し、ポジティブに受け入れられている状況もある。国内外のパーソナライゼーション領域における現状や課題について、アドビ デジタルエクスペリエンス事業本部の今井徹氏が解説する。
デジタル体験を評価の顧客 全体の3割未満という結果に
DXとEC戦略を語る上でコロナ禍前と異なるのは、企業ごとに程度の差はあれ、オンラインビジネスに対応したITシステムや組織体制が企業内に整ってきていることである。しかしそれは、コロナ禍に進められた付け焼き刃的なものも含まれ、部分最適にとどまっているケースが多く、全体を俯瞰して構築されたわけではないケースも少なくない。
そうした中で、ECのみでなくWebサイト、モバイルアプリを含めて、「俯瞰的」、そして「一貫的」に、顧客体験管理(Customer Experience Management:以下CXM)を見直す作業を急いでいる企業・ブランドは少なくない。具体的には、検討、購入、継続利用のトータルなライフサイクルを俯瞰するCXMの...
あと80%