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宣伝会議賞

「宣伝会議賞」一次審査員が語る これからの広告のあり方

キャッチフレーズ、動画広告、音声広告あわせて約59万点の応募があった第61回「宣伝会議賞」。今回新たに一次審査を務めた審査員のうち3名にお集まりいただき、座談会を実施しました。

電通
クリエイティブディレクター・コピーライター
郡司 音さん

主なコピーに、アサヒ生ビール「日本のみなさん、おつかれ生です。」、セールスフォース・ジャパン「意味なく群れるよりも、意志のある孤立を。」、ローソン「ローソンで ハピろー!」など。独自の仕事スタイルが注目され2022年『自分流~ “ 知”の探求者たち~』(BS朝日)で特集された。

資生堂クリエイティブ
クリエイティブディレクター・コピーライター
山本邦晶さん

資生堂、ビーコンコミュニケーションズを経て、2017年より再び資生堂、22年より資生堂クリエイティブに在籍。現在はプロダクトやテクノロジーのブランディング、さまざまな部門の戦略や言語化を手がける。「迷わず、SK-II」「京王沿線物語」「Pampers / Mom’s 1stBirthday」「Shiseido / Beyond Time」「A Journey of Beauty」「ShiseidoFuture Universityコンセプトムービー」など。

博報堂
アクティベーションディレクター・コピーライター
室屋慶輔さん

東急エージェンシーを経て、2023年10月より博報堂・生活者エクスペリエンスクリエイティブ局所属。ビジネスグロースを主眼においた、あらゆる課題解決のための企画・クリエイティブ開発を手がける。ADFEST2022、SpikesAsia2023 審査員。 ACCシルバー、広告電通賞ゴールド、JAA賞グランプリ、TCC新人賞、TCCファイナリスト、ギャラクシー賞、日経広告賞など受賞。

フレッシュな気迫に圧倒されました。

―審査を終えて、現在の率直な感想をお聞かせください。

郡司:様々な切り口や表現があって面白かったです。こういう方向性は思いつかなかったというものもたくさんありました。一方でやはり、似たような切り口のものが複数あったので、よりオリジナリティのある視点の作品を残しています。

山本:審査ファイルを開いたときに、大変なことを引き受けてしまったなと。でもそれはポジティブなもので、フレッシュな気迫に圧倒された、という感じです。普段コピーライターを目指す人が増えている実感はなかったので、これだけの数が集まっていることを嬉しく感じました。

室屋:これだけの量のコピーは業務でも見ることはなく…でも決して嫌な疲れ方ではなくて、心地よさがありました。途中で突然「これは手練れの同じ人が書いたのかな」というような、いわゆるWhat to sayが全然違う、それぞれ発見のあるものが続いたりして。それは面白かったです。

応募数が多いからこそ、素晴らしさが際立つ。

―室屋さんは昨年まで、中高生部門の審査員でした。

室屋:中高生部門の場合は粗削りだけど瑞々しい作品を拾い上げていく、という視点で審査を行います。最終審査会も善意に満ちていて、この子たちがコピーライターになってくれたら嬉しいね、という穏やかな空気感なんです。それと比較すると、一般部門の場合はやはりシビアな目線で見ることになります。すでにコピーを書ける人が多いからこそだと思うんですが、How to sayでなんとか化粧しようとしていてWhat to sayの視点や切り口に提案性がない…と感じることが多々ありました。ただ、こうして応募数がめちゃくちゃ多いからこそ、選ばれた作品の素晴らしさが際立つというのは「宣伝会議賞」の特徴。そこに僕は希望を感じています。

―作品を選ぶ視点として、実務との違いはありましたか?

郡司:普段の仕事での判断基準は、第一関門は「自分が面白いと思えるか」。ふたつ目が、「本当に世の中が面白いと思えるか」。3つ目が、これらを踏まえた上で、クライアントに価値のあるものになっているのか。「宣伝会議賞」の審査に関しては、クライアントの想いはそこまで分からないので、2つ目までの、僕が面白いと思えて、世の中に機能するかどうかを基準に選びました。

山本:実務とは違うという意識を持ちながらも、クリエイターとして惹かれるコピーを選びました。惹かれるコピーというのは、対象とする商品やサービスの価値をあげているかどうか。また、自分なりのアプローチを発見できているかどうかを、見ていきました。最近は戦略ががっちり決まったブリーフを受けることが多い。コピーにあまり幅を持たせられなかったりするんです。「宣伝会議賞」では、根本から考えられるから面白いですよね。

室屋:普段の業務と地続きで、発見があるか、課題を解決しているか、新しい市場をつくったか…といった点を見ていきました。どれかひとつでも当てはまれば、提案性があるので、僕としては良いコピーだと思っていて。普段だと、そこから丁寧にブラッシュアップしていって、クライアントに提案していく…という感じです。

―「今の時代を反映しているな」といった傾向は感じるものでしょうか。

室屋:ハッシュタグを使ったり、有名な作品や言い回しのオマージュやパロディ系は目立ったように思いました。でもそのゾーンは、相当上手く言い当ててないとむしろハードルが上がる気がします。

郡司:これは課題にもよると思いますが、僕が見た中では良くも悪くも、5年前、10年前でも大丈夫だなと思う作品は多かったように思います。僕が若い頃にも書いてたなあ、というものとか…。

室屋:課題の捉え方で、ああそういう風に見えているんだ、と世代や業界のギャップを感じた部分はありました。

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