生活者の意識・行動の変化が激しい時代。生活者の支持を得るブランドになるためには市場の動向に合わせてスピーディーな意思決定も必要です。こうした市場で顧客を増やし成長を遂げるスタートアップ企業では、どのようなマーケティング戦略が企画され、また実行されているのでしょうか。新興企業の戦略から新しいマーケティングの方法論を導き出します。
Luup 会社概要 | |
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設立年 | 2018年(サービス開始は2020年) |
マーケティング部署人数 | 2名 |
事業概要 | 電動マイクロモビリティのシェアリングサービス LUUPの提供 |
Luup創業秘話 前事業の課題がビジネスヒントに
電動キックボードと小型電動アシスト自転車のシェアリングサービスを展開しているLuup。“街中を「駅前化」するインフラをつくる”をミッションに、短距離移動のための電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを提供している。東京・横浜を中心とした首都圏や、京都・大阪・神戸をはじめとする関西一帯の街で目にする機会が増えてきたという印象を持つ生活者も多いのではないだろうか。
そもそもLuupは2018年、介護関連の事業を主として「社会課題の解決」を実現する企業として創業。当初は、数時間だけ働きたい主婦や元介護士が、数時間だけ家族の面倒を見てほしい家に対して「見守り」サポートを行う、いわゆるマッチングサービスに取り組んでいた。しかし、依頼主の家への移動に時間やコストがかかってしまうことから、事業が成り立たないことがわかったという。
そこで、同社代表取締役社長兼CEOの岡井大輝氏は、自身が事業を行ううえで障壁となった「移動」にまつわる課題に着目。駅やバスなどの公共交通機関を起点にする日本の交通の仕組みでは、短距離であったとしても、駅やバス停がない場所への移動が難しいことに気づいた経験から、現在のLuupの事業にピボットした。
認知と利用の間にある溝を埋めるコミュニケーション
Luupが提供するサービスの柱は...