コクヨでは2022年から中高生の文具ユーザーを対象にしたファンコミュニティアプリ「meeket!」をリリースした。若年層をターゲットにした際、運営で意識することは何なのか。オープンなSNSではなく、クローズドなアプリにした理由は?コミュニティを運営するうえでマーケターが気になるポイントをコクヨに聞いた。
「meeket!」基礎情報
●リリース:2022年6月
●アプリ運用のこだわり
①徹底的にユーザー(中高生)の声に寄り添う
②コクヨを「共につくっている」という意識を忘れないこと
コロナ禍で重要な接点が減少 アプリが価値を伝える新たな手段
企業・ブランドのファンとなり得るのは、社会人だけではない。商材によっては、学生もファンの対象となる。実際に、中高生に向けたファンコミュニティを運営しているのがコクヨだ。「meeket!」(ミーケット)という文具などをはじめとした勉強ツールのクチコミアプリを、コミュニティとして運営している。
「meeket!」は2022年6月にリリースしたアプリ。文具と生活者をつなぐ重要な接点だった小売店への来店機会がコロナ禍で減少してしまったことを受け、文具の価値を新たに伝えるためのひとつの手段として開始したのが始まりだった。
「文具を購入する際、生活者は小売店に足を運び、実際に使い心地を試して検討することが多かったのではないでしょうか。また、学生の方であれば、クラスメイトが使用しているのを見たり聞いたりすることで商品の価値を知ったり、購買意欲をかき立てられるということもあったと思います。しかし、店舗や学校へ足を運ぶことが少なくなったコロナ禍では、これまで商品の価値を伝えられていたチャネルが閉ざされてしまいました。そんな中で、文具の価値を新たに伝える場のひとつとして始めたのが『meeket!』です」。
こう話すのは、「meeket!」の運営を担っている同社の武市陽子氏だ。入社以来、文具ブランドのプロモーションを担当。主にInstagramアカウントの運用を通したユーザーとのコミュニケーションを行ってきた。
「meeket!」リリース秘話 Instagramの運用経験がヒントに
「meeket!」のリリース背景にあるのは、コロナ禍の影響による接点の減少だけではない。武市氏によると、文具の顧客対象である中高生をはじめとした学生からの声も、アプリリリースの大きな要因になったと話す。
「前述したように、入社以来、主にInstagramアカウントの運用を通して中高生ユーザーとコミュニケーションを行ってきました。その中でよく...