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「ファンコミュニティ」の運営と活用

マスヤ、「おにぎり倶楽部」を起点に全国区の知名度を目指す

加藤武正氏(マスヤ)

コロナ禍をきっかけに既存顧客との関係性を見直す機会が増え、ファンマーケティングに注力する企業が多くなった。しかし、そもそも企業・ブランドのファンは以前から存在していたはずで、コロナ禍はひとつの要因にすぎないとも言えそうだ。ここでは、2009年にファンコミュニティ「おにぎり倶楽部」を立ち上げた「おにぎりせんべい」を展開するマスヤから既存顧客との深いコミュニケーション方法を学ぶ。

「おにぎり倶楽部」基礎情報


●開設:2009年

●サイト運用のこだわり
①ファンを「仲間」と捉えること
②ファン心をくすぐる動線設計と自分を出せるアットホームな場づくり

SNSで気づいたファンの存在 2009年にサイトを開設した理由

三重県伊勢市に本社を置くマスヤ。同社を代表するブランドは「おにぎりせんべい」だ。関西をはじめ、東海、九州などで多く流通されている。

地域によって流通量や認知度に差があるとはいえ、全国各地に熱狂的なファンが存在しているのは「おにぎりせんべい」の大きな強みだ。マスヤが「おにぎりせんべい」のファンの存在に気づいたのはSNS。Facebookが普及し始めた黎明期に、商品写真を投稿している生活者を見かけたことがきっかけだった。

そこでファンの存在を確信した当時のマスヤの担当者が、2009年にファンコミュニティを開設。「応援してくれている人がいるなら、企業も後押しすべきだ」という気持ちで始めたものだったという。

既存顧客との深い関係構築は人口減少時代に欠かせない

比較的早い段階からファンサイトを運営していたマスヤだが、現在「おにぎり倶楽部」を担当している加藤武正氏によると、開始した当初から現在まで、時代とともに形を変えて運営してきたという。

「今の形に落ち着いたのは2019年、サイトリニューアルを行ったときです。一方、開設当初から変わらず続けているのは、会員に向けた満足度調査。ファンが好きな『おにぎりせんべい』の味と、実際に売っている商品の味にズレがないかを聞くものです。商品を買ってくれている人に、今後も引き続き購入してもらえるようにすることをひとつの目的にしています。また、調査では必ず自由記述を設けるのもポイント。書いてくれた回答からファンの熱量が手に取るように伝わるのです」(加藤氏)。

マスヤでは、『おにぎりせんべい』のために共に活動してくれるファンを仲間だと捉えている。加藤氏は、仲間であるファンと深い...

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