広告マーケティングの専門メディア

           

経済学の視点

オークションは、源頼朝である。

鎌田雄一郎氏(カリフォルニア大学バークレー校)

オークションを知らないとまずい、4つの理由

適切な値付けをしたい。

これはモノを売る者が誰でも思うことだろう。問題は、いくらならいいか分からない、ということだ。顧客が「高くても買ってもいい」と思っているなら高値をつけるのがいいし、そうでないなら値段を下げざるを得ない。では、いくらがいいのか。

この問題に答えるために、実に多くの研究がなされ、様々な方法が開発されてきた。この連載ではその中の1つ、「オークション」に注目する。これは端的に言うと、「顧客がどう思っているか分からないなら、じゃあ顧客に値付けをしてもらおう」というコロンブスの卵のような発想に基づいた方法だ。

オークションの話をすると知って「お、この連載読まなきゃな」と思われた方は結構。しかしそうでない若干鈍い読者のために、言いたいことがある。「オークションのことは、知らないとまずい」。その理由をいくつか挙げてみる。

第一に、オークションは多くのビジネスシーンで使われている。たとえば、グーグルやフェイスブックがその広告枠を売るとき。公共事業の発注もオークションでなされる。私の住んでいる米国では、家の売買もオークションが基本だ。オークションを知らないというのは、単にあなたが経済のことを知らないということである。ああ恥ずかしい。

第二に、オークションを...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

経済学の視点 の記事一覧

オークションは、源頼朝である。(この記事です)
行動経済学の限定合理性こそ合理的
行動経済学が苦戦する2割の壁
行動経済学が教えるナッジの効き目
行動経済学が薦めるナッジの処方箋
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する