アド近鉄では2025年の大阪万博を見据え、この春から交通広告プラン「近鉄まるごとジャック」を本格始動する。同社が考える交通広告の活用価値について、同社メディア本部の戸泉佑太氏に話を聞いた。
“圧倒的広告体験”を生む「近鉄まるごとジャック」
近畿日本鉄道(以下、近鉄)は、大阪、京都、奈良、三重、愛知の2府3県にまたがって走る、日本の私鉄では最長の路線と最多の駅を有する鉄道会社だ。1人あたりの乗車距離も長いという特徴がある。そんな近鉄の交通広告媒体を手掛けるのが、アド近鉄だ。
メディア本部 大阪交通メディア部の戸泉佑太氏は、同社が扱うメディアの特徴について、「近鉄は乗車距離が長いため、お客さまと広告の接触時間を確保できることが強みと言えます。また、沿線には高校や大学が多く点在しており、10代後半から20代前半の若年層へのアプローチに強いと自負しています」と話す。
アド近鉄ではこの4月より新商品「近鉄まるごとジャック」の提供をスタートする。
「『近鉄まるごとジャック』は、近鉄電車の1編成を1社の広告でジャックできる商品です。車内の中吊りポスターやドア横ポスターなどによる集中掲出は従来も行っていましたが、今回はこれに床面ステッカー、乗降扉ステッカー、窓ステッカーなどを加えた、車内360度の広告展開となります。また、車体広告もセットになっており、ラッピングまたはボディステッカーも同時に掲出できます。乗車前から乗車中まで、丸ごとブランドイメージを体感できる広告商品です」と戸泉氏。
乗車した際に、ブランドの世界観に包まれるような圧倒的な体験が味わえることを意図して開発したという。
戸泉氏は、今の時代における交通広告の魅力を次のように話す。
「『デジタル広告に追いかけられている感覚がある』といった声を聞く機会も多い現代において、日常動線に偶然現れる交通広告は生活者のアクションを妨げず、ポジティブな印象を残すことができる点も魅力のひとつと言えますね」。
2025年4月から開催される大阪万博は、多くの旅行客が大阪を訪れるきっかけとなり、公共交通機関の利用者増加も予想される。
「近鉄の『けいはんな線』は万博会場の最寄り駅へアクセスする大阪メトロに乗り入れているため、通常以上の乗者数を見込んでおり、ブランドの世界観を発信するチャンスだと感じます」と戸泉氏。コロナ禍で落ち込んだ人々の移動が復活しつつある今、人々に届く新しい媒体を今後も企画していきたいと語った。
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