パス・コミュニケーションズは1月16日より、大阪・梅田駅前で「梅田BS3Dビジョン」の放映をスタート。多くの人が行き交う立地に3D動画でインパクトある広告を展開可能な同ビジョンについて、営業本部 デジタルビジネス開発室の今枝洋介氏に聞いた。
動画はコミュニケーションの中心 高まる「大型ビジョン」への注目
OOH広告の中でも、近年その存在感を増している「屋外大型ビジョン」。そうした中、1991年の原宿エリアでの大型ビジョンの展開から始まり、今では屋外大型ビジョンのリーディングカンパニーとしての立場を確立しているのがパス・コミュニケーションズだ。
「当社は雑誌広告を中心に活動してきた広告会社だったアドエー社と大型ビジョンを扱う媒体社パス・コミュニケーションズが合併し生まれた会社です。両社の融合により、媒体運営から広告営業まで一気通貫できる体制を構築でき、それぞれの知見を活用できているのは強みだと感じています」と営業本部 デジタルビジネス開発室の今枝洋介氏は話す。
今枝氏は近年の大型ビジョンを使った企業プロモーション活動の高まりと、それに伴う広告主企業の意識変化について次のように話す。
「従来、企業の大型ビジョン活用には、テレビCM用に制作していた素材があるのでそれを再度使用するといったケースが多い印象でした。しかし最近では、広告主の方がOOHならではの特性を踏まえて、オリジナルの動画を制作・配信するケースが増えています。動画はリアル・デジタル問わず、マーケティング・コミュニケーションの基点になりつつあるため、OOHでの動画活用を中核に据えたコミュニケーション・プランを考える企業も出てきています」。
また、OOH広告の中でも大型ビジョンは音声が出せることも評価されているという。
「OOH広告を検討されている企業の多くは、自社のプロモーションをインパクトある形で知ってほしいと考えています。音声は広告の方向に視線を誘導するきっかけになる。そうした点も評価され、最近では特にハイブランドや外資系企業などに利用されるケースが増えています」。
大阪・梅田の新たなシンボル 3D大型ビジョンが登場
パス・コミュニケーションズでは今年の1月より大阪梅田駅前にて「梅田BS3Dビジョン」の放映を開始した。100平米という大型サイズでカーブ型を生かした3D動画を楽しめるのが特徴。JR大阪駅と阪急梅田駅を結ぶペデストリアンデッキからの視認性も良く、現在は、新宿東口の大型ビジョンで有名になった「新宿東口の猫」を手掛けるオムニバス・ジャパンが大阪在住イラストレーターmakomo氏と生み出したオリジナルキャラクター「ウメダのウドンチャン」の自社コンテンツ動画を放映している。
繁華街の中でも梅田に3Dビジョンを設置することになった経緯について、「大阪の梅田は、関西エリアの中でも屈指の魅力的な商業施設に囲まれています。調査会社による調査の結果では、関西エリアにある商業施設のうち、興味・行動に関する上位6施設のすべてが梅田に集中していたことも決め手のひとつになりました」と今枝氏。
媒体の半径100メートル圏内に訪れるエリア来訪者数の平均は1日あたり18万人を超え、これは東京の2大OOH展開エリアである新宿東口と渋谷ハチ公前の大型ビジョンに匹敵するポテンシャルだという。そのような立地に3D動画を掲出することで、ひとりが注目すれば、その人の視線を追いかけて周囲の人も注目するという波及効果も見込める。
また、パス・コミュニケーションズでは以前より、自社の運営媒体で「Jアラート」や「熱中症警戒アラート」を展開しており、“防災ビジョン”として地域やコミュニティに貢献することを企業として掲げている。その点でも多くの来街者と接触できるこのエリアが最適だと判断したのだという。
「Jアラートは総務省、熱中症警戒アラートは環境省と連携して情報発信を行っています。当社が防災の視点を持つようになったのは、2011年3月の東日本大震災がきっかけでした。スマホがつながらなくなり、帰宅困難者があふれた経験を踏まえて、災害時に必要な情報を出すのは、地域の大型ビジョンであるべきだと強く感じました。市民の安心安全に関する情報を掲出することは、出稿する企業のブランドへの信頼感にもつながるのではないでしょうか」と今枝氏は話す。
「OOH Analytics」の導入で視聴データの取得を目指す
「梅田BS3Dビジョン」には4月より小学館・東宝とのコラボで、劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』の3D動画も掲出され、この先も盛り上がりが予想される。
また同社では大型ビジョンにおけるリアルタイムデータの取得にも精力的に取り組んでおり、全国の媒体での広告効果可視化に向けた取り組みを進めている。
「現在、原宿の大型ビジョンに『OOH Analytics』というオーディエンスデータをリアルタイムに可視化するクラウドプラットフォームを導入しています。これは、大型ビジョンに設置したAIカメラにより、広告を流した際にリアルタイムで視聴者情報を取得できるというもの。これにより、男女比や年代層、曜日ごとの人数の変動などを知ることができます。AIカメラを全国の大型ビジョンに設置することで、可視化しにくいといわれているOOHの効果を明確にし、将来的には企業の出稿プランニングに役立てていただけることを目指しています」と今枝氏。
今後もパス・コミュニケーションズは、多くの人の視線を集めるOOHの提供により、企業や地域に貢献していきたいと話した。
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