本号では、課題を協賛している企業による選考で決まる「協賛企業賞」の受賞作品が発表となりました。併せて、100名を超えるコピーライターによる審査を経てファイナリスト作品が選出され、いよいよ3月10日、最終審査会の場でグランプリが決まります。ここまでの結果を、次に生かすにはどうしたらよいのでしょうか。自身も「宣伝会議賞」応募経験のある、一次審査員の勝浦雅彦氏に話を聞きました。

電通
コピーライター
勝浦雅彦氏
ぜに屋本店、東芝、Sky、UR、ラグビーW杯CM等を制作。コピーにLOFT「去年より、恋がうまくなった。なんだかつまらない。」、大牟田スイミングスクール「お母さんの声援が聞こえるから、息つぎが好き。」、自殺予防週間「明日も、「ただいま」を聞かせてください。」、お仏壇のコガ「お母さん、お母さんになったよ。」。TCC賞、ADFEST FILM最高賞、Cannes Lions、クリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト等受賞。著書『つながるための言葉』。
アイデアを出す前に、心動かされたものや自分の原点を振り返る。
──「協賛企業賞」の受賞作品と、グランプリをはじめとした各賞の違いはどこにあると思いますか。
協賛企業賞は、企業の持つ想いを表現していることに加え、コピーとしてリスクヘッジがされていて、誤解や嫌悪感を生まないものが選ばれる傾向にあると思います。
そして「協賛企業賞」を選ぶのは、その商品やサービスを生み出し、大切にしている社員の方々です。選定方法は様々だと思いますが、いわゆるコピー的なレトリックが巧みなものよりも、“自分たちの商品への想いに気づいてくれたんだ”、“この商品の良さをどう言うかモヤモヤしていたことを言語化してくれた”といった、「気づき」や「喜び」が感じられるかどうかが、受賞の...