ベータかVHSか 実家で再認識、映像規格の歴史
高校を卒業するまで、香川の実家で暮らしていた。今でも実家に戻ると、子供部屋、つまり私の部屋は高校を卒業したままの状態が保たれており、いわば40年前にタイム・スリップしたようなキブンになる。
当時から映像コンテンツが好きだった私の部屋にはベータマックスとVHSのビデオ・デッキ、それぞれの方式で録りためたビデオ・カセットが並び、レコードと同じように溝を掘ったディスクを使って映像を出す静電容量方式(CED方式※1)の米RCAのビデオ・ディスクやパイオニアのレーザー・ディスクがソニーのブラウン管モニター、プロフィール27の下に収まっている。当然だが、ベータ方式で録画した映像は、VHSのビデオデッキでは再生できないし、CED方式のビデオ・ディスクはレーザー・ディスクでは再生できない※2。
※1 “Capacitance Electronic Disc”の略。電通が1987年に制定した企業スローガン、“Communications Excellence DENTSU” ではない。
※2 当時はメーカーの囲い込み策?として、特定のビデオ規格でしか流通していない映画タイトルもあった。
しかし、インターネットが普及していく中で、カセットやディスクといった物理的な配布手段ではなく、オンライン配信がコンテンツ流通の主流となる。これにはファイルの規格や圧縮方式の統一といった、映像や音声規格の標準化が果たした役割が非常に大きい。
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