自分好みにカスタマイズできる商品は増えているが、一方で複数の選択肢から自分好みをセレクトするプロセスには、生活者側にある程度の知識が必要とされる。選ぶ楽しさは担保しながら、選ぶことが負担にならないカスタマイズサービスはどう設計すればよいのだろうか。2023年1月末にローンチしたばかりのライオンの新D2Cブランド「by me」の企画担当者 伊東良子氏にその考えを聞いた。
暮らしの香りをカスタマイズする 新たな柔軟剤ブランドが誕生
ライオンは2023年1月30日、新たなD2Cブランド「by me」をローンチした。同社はこれまでも健康食品関連事業においてD2Cモデルを展開していたが、DNVB文脈でのD2C事業としては初の試みだ。
また「by me」は、ライオンが掲げる中期経営戦略フレーム「Vision2030」の成長戦略のひとつである「4つの提供価値領域の加速」の実現を目指して立ち上がったブランドでもある。ここで掲げられた4つの領域のうち、多様な暮らしにフィットした「新しい家事習慣」の創出を目指す「スマートハウスワーク(SHW)」初の新規事業としてローンチした。それでは今回、立ち上がった「by me」とはどのようなブランドなのか。
「『by me』は『暮らしの香りをカスタマイズする』新習慣を提案する新しいブランドです。柔軟剤と衣類ミストをラインナップしています。無香性のベースと香りのエッセンスをブレンドすることで、自分に合った香りを自由にカスタマイズできます。D2Cモデルを選択したのは、ブランドの世界観を直接伝え、お客さまとの双方向のコミュニケーションで顧客体験をつくっていきたいと考えたことも理由のひとつです」。
こう話すのは事業企画を担当した伊東良子氏。日々の生活を丁寧に過ごしているお客さまの習慣を楽しく前向きなものに変えたいという思いのもと、立ち上げたという。
香りの好みがわからない場合は?商品選びを楽しくする工夫
好みの組み合わせで香りをつくることができる自由度の高いブランドだとはいえ、自分に合った香りにたどり着くまでには、ユーザー自身が自分の好みを理解している必要もありそうだ。生活者にもある程度の知識が必要になるサービスを楽しく理解してもらうためには、どのようなコミュニケーションが有効なのか。
「by me」では、香りへの知識の有無にかかわらずサービスを楽しむことができる2つのシリーズを...