実際に店舗で使い心地を試し、購入に至るケースも多い家具商材。買い物時に日常生活で使用する様子を想像できる「ワクワク」感が店舗で提供できる大きな体験価値だ。都心型店舗の拡大にも注力するイケア・ジャパンにフォーカスし、イケアでの買い物体験の設計について、同社の安住佐知子氏に聞いた。
顧客とのタッチポイントを拡大 オムニチャネル化にも注力
「より快適な毎日を、より多くの方々に」をビジョンに、美しいデザインと機能性、高品質、サステナビリティを備えたホームファニッシング製品を幅広く取りそろえ、できるだけ多くの人が購入できるような低価格で提供する一。これがイケアの核となる強みだ。
日本では2006年の1号店オープン以来、9つの大型店舗、3つの都心型店舗、カスタマーサポートセンターを展開。それに加え、ECサイトの「IKEAオンラインストア」の開業やアプリの配信、さらに国内各地で商品受取りセンターを拡大し、顧客とのタッチポイントを増やしてきた。昨今は変わりゆく購買行動のニーズに対応するため、それぞれの接点を繋ぎ、総合的にアプローチするオムニチャネル化施策にも注力している。
生活者の価値観に合わせてビジネスを展開するイケアだが、やはり店舗での買い物を想起する人は多いのではないだろうか。同社の安住佐知子氏によると、店舗展開には各店共通の軸が存在していると話す。
「店舗では、すべてのお客さまに楽しい時間を過ごしてもらいたいと考えています。そのため、商品を展示・販売するだけではなく、試し、専門知識をもった従業員に直接尋ねられる仕組みを整えました。店舗内のルームセットは、様々なコーディネートや部屋づくりのアイデアを体感できるように設計しています。また、イケアの店舗ではスウェーデンレストラン、スウェーデンビストロを併設しているのも特徴です。家族や友人、ひとりでも楽しめるメニューも...