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2023年は、こう動く。―価値観・消費行動・メディア環境予測―

マーケティング思考の浸透により全社のDXを推進する三菱地所の試み

島田映子氏、岩谷隆至氏、新居辰彦氏(三菱地所)

2022年10月、三菱地所は社内のDX人材を育成する独自の研修プログラム「MEDiA」を開設した。全従業員約1万人を対象にするというこの壮大な取り組みの目的と構想を、プロジェクトメンバーである3人に聞いた。

[写真左]
三菱地所
人事部 専任部長
採用・研修・人材啓発・ダイバーシティ推進ユニット
ユニットリーダー
島田映子氏


[写真中央]
三菱地所
DX推進部
データ&UXデザインユニット
マネージャー
岩谷隆至氏


[写真右]
三菱地所
DX推進部
データ&UXデザインユニット
統括
新居辰彦氏

不動産業界ならではのDXを学ぶ 人材育成プログラム「MEDiA」

いまや企業にとって喫緊の課題となっているDX推進。そこで問題となるのが人材の獲得・育成である。三菱地所は2022年10月、DX人材育成プログラム「MEDiA(MEC Digital Academy)」を開設し、グループ会社を含む全従業員約1万人を対象に研修を開始した。「MEDiA」は、これまで同社社内で実施していたデジタル領域の研修を大幅に拡大・再編したプログラムであり、デジタルマーケティングやデータ分析などが研修コンテンツとなっている。

「MEDiA」実施の目的についてDX推進部 データ&UXデザインユニット統括の新居辰彦氏は「当社では長期経営計画において2030年に向けてノンアセット事業の事業利益を2020年3月期より500億円増加させる方針です。その実現には、私たちDX推進部だけではなく、各部署と連携してデータの分析や活用を行っていく必要がありました。そこで、全社員のデジタルリテラシー向上のため『MEDiA』として内容を体系化することになったのです」と説明する。

ノンアセット事業とは、不動産などの資産を保有して収益を上げるビジネスモデルではなく、フィービジネスをはじめ、サービスやコンテンツなどの提供を通じて収益をあげる事業を示す。従来、不動産の開発・賃貸・売買を基軸としてきた不動産デベロッパーにおいて、ノンアセット事業の拡大は不動産市況の変化に強い事業ポートフォリオを構築することにつながる。

同プログラムは、それぞれ基礎、実践、発展編からなる大きく5つのカテゴリで構成されている。「ステップ1」はデジタルマーケティングの基礎を学び、「ステップ2」は...

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