世界最大のマーケティング・コミュニケーションズグループであるWPPは、2022年4月に松下恭子氏を日本における最高経営責任者(CEO)に任命した。国内のWPPグループ傘下の各社を統括し、コミュニケーション、エクスペリエンス、コマース、テクノロジーの分野で企業の支援を目指す。
松下氏は「グローバルCEOであるマーク・リードはグローバル戦略として“市場ファースト”の戦略を打ち出した。より深いコンシューマーの理解を通じてクライアントに貢献していく」と話す。加えてリード氏は日本市場に注力する姿勢も明確に示しているという。松下氏は「今後、成長が予測されるアジア市場を見据えた際、日本での成功は大きな意味を持つ」と説明する。
長く海外の市場でビジネスをしてきた松下氏が今、日本の企業に足りないと感じているのは「DXの先にあるゴールの設定」という。「ややもすると、DX自体が目的化してしまっている懸念を抱く。米国ではすでにコンシューマー理解のために、データとテクノロジーを用い、新たな価値を創出する段階に至っている。私たちが世界で実行してきたデータとテクノロジー活用の知見を活かし、日本企業の変革を支援できれば」と語る。
また、テクノロジー活用に際してはグローバルネットワークの強みが日本市場でも生きるとの考えを提示する。「昨今...
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