史上最大規模のFIFA女子ワールドカップに出稿する米企業
2022年のFIFAワールドカップの興奮も冷めやらぬ、この夏「FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023」が開催された。本大会はFIFAが目標としていた観客数150万人を開幕1週間で達成するなど「女子W杯史上最大の大会」となった。4年に一度の好機を逃すまいと、さまざまな企業が大会に協賛しマーケティング活動を行った。
米国広告マーケティング事情
現在開催中の「2022 FIFAワールドカップ(W杯)カタール」は、過去と比べて異例の大会となっている。まず開催期間が通常の6~7月ではなく、中東の極暑を避けるため11~12月の開催に。そのためアメリカではNFL、NBA、NHLなど3大プロスポーツと時期が重なり、視聴率にも影響が懸念される。またスタジアム建設時の移民労働者死亡問題や、カタールの同性愛違法などが報道されると、人権擁護団体からFIFA及びスポンサーへ批判が集中した。
様々な問題を抱えながらも「世界最大のスポーツイベント」として高く評価する企業は、積極的なマーケティング活動を展開している。
W杯公式スポンサーのバドワイザーは、カタール大会まであと100日となった8月12日からキャンペーンを開始。大会出場中のスター選手、リオネル・メッシ(アルゼンチン)、ネイマール(ブラジル)、ラヒーム・スターリング(イングランド)の3人を起用したCM“The Drop”では、決勝戦2名招待やビール1年分贈呈を含む豪華懸賞付きプロモーションを予告。W杯限定ボトル・缶に記されたQRコードや特別サイトから9月末まで申込みが可能に。
10月以降もアメリカ代表選手サイン入りグッズなど様々な景品が当たるキャンペーンを継続している。同社グローバルマーケティング副社長トッド・アレン氏は「W杯公式ビール(会社)として、ファンの心を惹きつけ、彼らのゲーム体験を向上させたい」と述べている。
大会前に、決勝戦への招待状やビール一年分などが当たるスイープステイクスを実施したバドワイザー。開幕直前にはメッシ、ネイマール、スターリングの3大スターが共演するCM。「トンネル」で試合前の高揚感を演出した。
1974年以来のスポンサー、コカ・コーラもW杯キャンペーン“Believing is Magic”を9月から開始。同時に、W杯の興奮を伝えるライブイベント「FIFA World Cup Trophy Tour」を、今大会出場32カ国を含む51カ国で開催した。今回で5大会連続となる本イベントは、W杯限定パッケージについたQRコードをスキャンするかネットで申し込むと参加可能になっている。また、10月17日発売の特別パッケージ商品(コーク・オリジナルまたはゼロ)を購入すると「FIFA World Cup 2022 Branded Football」が1万人に当たるキャンペーンを実施。
CMは「あなたがどこの国のサポーターでも、信じて応援すれば奇跡は起こる」という意味のタイトル“Believing is Magic”を...