広告マーケティングの専門メディア

           

「共感」ブランド戦略

あらゆる接点でシェアハピネスを描く「ポッキー」のブランド戦略

川野 格氏(江崎グリコ)

1966年の発売以来、広告に様々なタレントを起用し、耳に残るCMソングや「ポッキーダンス」などでも話題を呼んできた江崎グリコの「ポッキー」。近年、同ブランドのテレビCMでは、家族や友人同士の自然な日常を描いている。その背景について、広告部の川野 格氏に話を聞いた。

第2弾「友人をさそおう」篇(30秒)
9月9日より放映開始した第1弾「いつかさそおう、を今日さそおう。」では、ポッキーを片手に友人や家族に声をかける人々の様子が描かれ、ラストは有村架純さんが手を振る。その続編が、10月25日に放映開始の第2弾「友人をさそおう」篇(写真)。視線の先にいたのはプライベートでも仲の良い佐久間由衣さん。カメラの長回しで、2人の自然な笑顔を切り取った。

ポッキーで弾む会話を描くCM 自分ごと化できる自然さを大切に

江崎グリコでは2022年9月より、ポッキーの新テレビCMシリーズ第1弾「いつかさそおう、を今日さそおう。」篇、10月より第2弾「友人をさそおう」篇の放映を開始した。

今回のCMシリーズでは有村架純さんと佐久間由衣さんを起用。「さそおう」がコンセプトで、人と人とのつながりにフォーカスしたクリエイティブだ。過去にドラマで幼馴染役としての共演経験があり、プライベートで友達でもある2人。有村さんが佐久間さんをさそい、「ポッキー」を食べながら、出会ったころの思い出話などを語る⋯というストーリー。人との距離が遠くなりがちな日々の生活で心のつながりまで薄くならないよう、「勇気を出して、大切な人に声をかけてみませんか」という思いが込められている。

広告部の川野氏は「メッセージを伝えるだけでなく、行動に移してもらえたら、と考えて制作した広告」と話す。そこで、見た人が自分ごと化できるような自然さを大切にした。

「お二人にはとにかく自然な演技、普段の空気感で会話してもらうようお願いしました。また、撮影の中では商品を意識しすぎると不自然になるシーンもあったため、CMではありますが、パッケージの見え方にはこだわりすぎないという判断もしています」。

前シリーズで3年間続いた「ポッキーと、とある家族の物語」は、宮沢りえさんと南沙良さんが親子役で出演し、ポッキーを分け合うことでつながる家族の姿を描いた。川野氏は、「マーケティングにおいて常に考えているのは、『ポッキー』というブランドがどのように世の中に関わっていけるか、役立っていけるかということ。その時々の社会の...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

「共感」ブランド戦略の記事一覧

「共感」ブランド戦略の記事一覧をみる

おすすめの連載

特集・連載一覧をみる
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する