生活者の意識・行動の変化が激しい時代。生活者の支持を得るブランドになるためには市場の動向に合わせてスピーディな意思決定も必要です。こうした市場で顧客を増やし成長を遂げるスタートアップ企業では、どのようなマーケティング戦略が企画され、また実行されているのでしょうか。新興企業の戦略から新しいマーケティングの方法論を導き出します。
greenbrewing 会社概要 | |
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設立年 | 2017年 |
従業員数 | 10名(アルバイト含む) |
事業概要 | 「美味しいお茶のある暮らし」における企画・製造・卸・小売業 |

greenbrewing
代表取締役
兼クリエイティブディレクター
青栁智士氏
設立以降、5年連続の増収 日本茶専門店「煎茶堂東京」
シングルオリジン煎茶専門店の煎茶堂東京や、ハンドドリップ日本茶専門店の東京茶寮を運営するgreenbrewing。2017年の設立以降、5年連続で増収・増益を達成するスタートアップ企業だ。
同社のルーツはデザイン。もともとはデザイン会社兼クリエイティブカンパニーとして、代表取締役の青栁智士氏と取締役の谷本幹人氏が会社を設立。現在もデザイン会社としてのサービスも展開しながら、先述の煎茶堂東京と東京茶寮を運営している。
代表取締役の青栁氏は、デザイン以外でもビジネスを展開した理由について、クライアントの課題だけではなく、自分たちが課題に感じることも解決していきたいという想いがあったと話す。
「デザイン会社での仕事はクライアントワーク、つまりお客さまの課題を聞いて、デザインの力で解決するところにあります。その仕事をするなかで私たちは、自分たちが課題に感じることもデザインで解決したいと思うようになりました。そこで目をつけたのが日本茶。自国の文化なのに、知識を持っている日本人が少ないことに課題意識を持ったことがきっかけでした」(青栁氏)。
ある日本茶を飲んだとき、いろいろなところからその日本茶についての疑問が湧き上がってきたと青栁氏。産地や生産者、美味しい飲み方など、知らないことだらけであることに気づき、日本茶における「文化の継承」を目的にビジネスを始めた。
市場規模だけで測らない新ビジネスの可能性
日本茶に焦点を当てたとはいえ...