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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

「BOSS」30周年 「働く人の相棒」として時代ごとのコミュニケーション実施

サントリー食品インターナショナル BOSS

(左)1992 (右)2022

1992年に誕生したサントリー食品インターナショナルの「BOSS」は、2022年に30周年を迎えた。

「BOSS」が開発される以前、同社では「WEST」という缶コーヒーブランドを展開。しかし、売上は伸び悩んでいたという。コーヒー飲料市場でもシェアを獲得するため、「WEST」の後継商品として同社が、開発部門や宣伝部門など、全社で一丸となり生み出したブランドが「BOSS」であった。

新しくブランドを立ち上げるにあたり、同社ではターゲットを「働く人」に絞り、働く人々が“一服”する時間に寄り添えるよう商品開発やコミュニケーションを検討したという。

同社広報部の蛭田順也氏は、「BOSS誕生時から現在まで一貫して『働く人の相棒』というコンセプトを掲げています。“相棒”として親しんでいただけるよう、ブランドの“人格化”を意識した発信を実施。現在まで使用し続けているキャラクターのようなロゴマークもこの考えに基づいています」とブランドの姿勢を説明する。

誕生時は工事現場作業員やトラック運転手など体を使う仕事の人々が休憩中に飲むという飲用シーンがメインであったが、時代を経るごとに人々の働き方も変化。デスクワーク中心の労働者も増え、営業職の人々が外回りの際に持ち歩くなど飲まれ方も変わっていったことから、「BOSS」では、2000年代前半からボトル型の缶コーヒーも発売。さらに時代が進み、仕事をしながらデスクで少しずつ飲むといった人々に向け、ペットボトルコーヒーのパイオニア的存在となる「クラフトボス」シリーズを「BOSS」ブランドの新ラインとして発売した。

「人々の働き方が変わっても、『働く人の相棒』として、時代やその時の環境に応じた方法で、働く人々に寄り添う存在でありたいです」と蛭田氏は語った。

視点01 商品・ラインアップ
働く人の意識やワークスタイルをキャッチアップした商品開発

誕生時、「BOSS」は働く男性に対して特に強い訴求力を持ったブランドであったが、30年の間に働き方が多様化することで、働く人の意識やワークスタイルも変化を遂げた。

「BOSS」はそうした動きを常にキャッチし、その変化に合わせながら商品ラインアップを展開。

定番商品である缶コーヒーは、肉体労働に従事するワーカーを中心に今でも高い人気を誇っている。2000年代前半に誕生し、缶よりも容量も増えたボトル缶は、鞄に入れて持ち歩けるよう開発された。

2017年に新シリーズとして発売された「クラフトボス」は、デスクワークの多いITワーカーにアプローチする商品として誕生。今や...

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