「走る百貨展」 コンセプトが生まれた背景
兵庫県神戸市に本社を置くフェリシモは9月16日、阪急電車3路線のトレインジャック施策「ちょっと気分があがる フェリシモ走る百貨展」を開始した。クリエイティブディレクションを務めたのは、昨年「JPM The Planner 2021」に選出された博報堂の河西智彦氏だ。
ジャックを行ったのは阪急電鉄神戸線、京都線、宝塚線の3路線。同月30日まで実施された。
フェリシモが展開しているのは、自社開発したファッションや生活雑貨などをショッピングサイトやカタログで販売するダイレクトマーケティング事業。1965年の創業以降、神戸を拠点に多くのブランドを開発してきた。
同社でつくられた数々の商品はSNSで拡散されることもあったが、やや単発的な話題にとどまってしまうことも多かったという。そんな中で生活者からの認知が低いことや、ブランドイメージが充分に確立されていないという仮説が立っていた。
そんな課題感の中で企画されたのが本施策。担当した同社の定期便企画MC部の三谷侑平氏は、フェリシモを知らない人や、まだ商品を購入したことがない生活者へ向け、認知拡大とブランディングを目的に実施したと話す。
「認知獲得を目的にブランド広告を展開しようと考えたとき、生活者からして最もわかりやすいのは『商品自体』を主役にすることなのではないかと考えました。フェリシモの商品は『ともにしあわせになるしあわせ』というコアバリューから生まれており、一つひとつがフェリシモブランドを体現しています。複数の商品を同時に見てもらうことで、『商品起点のブランドイメージ確立』ができるのではないかと考えました。これがトレインジャックという発信方法と、『走る百貨展』というコンセプトが生まれた背景です」(三谷氏)。
“フェリシモ体験を電車で” 通勤・通学をワクワクする時間に
商品自体を主役にしたクリエイティブで展開されている今回のトレインジャック施策。訴求ポイントはフェリシモの商品たちを通じて、「しあわせ」な暮らしを想像してもらうことだ、と三谷氏。フェリシモのブランドイメージを醸成し、生活者により