今年、日本上陸50周年を迎えたフェイラー。この節目のタイミングで「心はいつだって踊れる。」というブランドメッセージを発表。各地域でプロモーション施策を展開し、社会的価値の創出にも取り組み始めた。その背景にあるリブランディングについて、代表取締役社長の川部将士氏に聞いた。
フェイラージャパン「日本上陸50周年リブランディング」
市場領域
布製品(ハンカチ、バッグ、ポーチなど)
ターゲット(対象顧客)
20~60代の幅広い世代
ターゲティングの肝
・顧客高齢化に伴うリブランディング
・マーケティング4Pの見直しを実施。ブランドの若返りに注力
コミュニケーション手法
SNSによる1to1マーケティングから、ファンコミュニティを醸成
顧客の高齢化が課題 ブランドの若返り戦略を実施
ハンカチをはじめとした布製品ブランドを展開するフェイラー。ドイツに本社を置き、1972年に日本へ上陸した。当時の中心顧客は、主な購買の場として百貨店を利用する生活者。日本が経済的に豊かになり、一億総中流社会とも言われた時代の30~40代。いわゆる団塊世代が中心だった。
そんなフェイラーは今年、日本上陸50周年を迎えた。ロングセラーブランドとしてお客さまに長く愛されるために実行したのは対象顧客の見直し、つまりリブランディングだ。
現在のフェイラーの熱狂的ファンは数年前から若返り、30~40代の女性。近年では、10代をはじめとする若年層にも顧客が広がり、限定アイテムは即完売の人気ぶりだ。
どのようにフェイラーはリブランディングを実現したのか。2016年から代表取締役社長を務める川部将士氏は就任当時、「ブランドの若返りが必要だ」と考えていたと話す。
「当初は百貨店を販路に1970年代から1990年代にかけて売上を拡大してきましたが、私が就任した時点での愛用者は60~70代が主。顧客の高齢化が進んでいる状況でした。このまま高齢化が続いてしまうと、売上低下も見込まれます。ターゲットを見直し、マーケティング戦略を練り直すことでブランドを若返らせることに注力しました」(川部氏)。
フェイラーでは2013年頃から日本市場でのビジネスの継続的発展に危機感を抱き、リブランディング施策を開始していた。しかし思わしい結果が出ず、そんな中で川部氏が代表に就任。方針を修正しながら進めてきたという。
リブランディングの軸はマーケティング4Pの見直しから
2013年から...