日本でもプロ野球やJリーグにおいて、企業名を冠するスタジアムや施設は今や一般的になった。ネーミングライツをはじめ、こうしたスポンサーシップは、スポーツ界において多大な影響力を持っており、プロスポーツの運営になくてはならない存在となっている。
本書『アメリカのスポンサーシップ戦略に学ぶスポーツマーケティング』は、代理店主導のスポンサーありきの日本的なスポンサーシップと、アメリカの共創的なスポンサーシップを比較し、その差異を分析。それぞれの成り立ちや特徴を詳細に解説することで、現在の日本のスポンサーシップを見直し、これまで以上にスポーツビジネスを活性化させることに主眼が置かれている。
著者の川上 司氏は、メーカー宣伝部にてスポーツマーケティング業務に従事したのち、2014年から帝京大学経済学部にて教鞭を執る。「日本企業は残念ながら本来のスポーツマーケティングとはかけ離れた状況にあった」と語る川上氏。そんな日本的スポンサーシップへの違和感に対する答えを、メジャーリーグのサンフランシスコ・ジャイアンツのスプリングトレーニングキャンプに帯同する中で見出し、本書の執筆に至った。
本書は大きく...
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