消費者ではなく、生活者という言葉が使われる場面が増えました。真に生活者起点のマーケティングを実践するうえでは、一人ひとりの顧客に「人」として向き合うことが求められています。データも駆使した、「人」中心のマーケティングの実践論を全12回の連載で解説していきます。
なぜ米国リテール市場はコロナ禍でも成長できるのか?
コロナの蔓延が始まった2020年、国内の小売業販売額は前年比▲3.2%※1だったのに対し、2021年は前年比+1.9%※2となりました。この結果から、生活者が徐々に新たな生活様式に適応し、活動を再開していることが伺えます。
※1 2020年小売業販売を振り返る 経済産業省
※2 2021年小売業販売を振り返る 経済産業省
一方、小売業最先端のアメリカに目を向けると、2020年は同+6.7%、2021年は同+10.5%※3とコロナ禍でも力強い成長を遂げています。
※3 US Retail Sales Now Forecast
アメリカ小売業が成長し続ける大きな要因として、生活者の意識や行動の変化を速やかに捉えて、対応していることが挙げられます。大手スーパーマーケットであるTargetのCEO Brian Cornell氏も「変化が激しいなかで小売業が生き残るためには、“生活者の声に耳を...
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