100年を振り返りながら 甲子園の新たなあり方を模索する
阪神電気鉄道が運営する阪神甲子園球場(以下、甲子園)は、2024年8月1日に開場100周年を迎える。100周年に向け、同社では2022年8月1日から「阪神甲子園球場100周年記念事業」を始動した。本企画は100周年という節目の年を迎えるにあたり、甲子園の歴史と伝統を振り返りファンに感謝を伝えるとともに、次の100年に向けた成長のため、次世代を担う子どもたちの健全な育成や環境保全にもつながる事業の推進を目指すというものだ。
この100周年記念事業の狙いについて、阪神電気鉄道のスポーツ・エンタテインメント事業本部に所属する赤楚勝司氏はこう説明する。
「これまで支えていただいたファンの皆さまの中で甲子園はどういう存在なのか、またこれから球場としてどうありたいか、という議論を社内で実施しました。そして『KOSHIEN CLASSIC〜感謝を、伝統を、次の100年へ〜』という事業コンセプトを策定し、今後2年以上の歳月をかけ、様々な事業を通じて、野球に限らないスタジアムの可能性を広げていくことで、国内だけでなく世界にも誇れる『聖地』を目指すことにしました」。
事業のスタートとなる8月1日には「元祖甲子園のアイドル」として知られ、活躍した太田幸司氏をゲストに迎え、甲子園球場のグラウンドで事業発表会を開催。また100周年記念の特設サイトも同日に公開し、事業の取り組みを様々なコンテンツで紹介。コンテンツは随時アップデートしていくという。
名作野球マンガとのコラボ 100年にふさわしい企画が目白押し
周年事業の一環として、同社は名作野球マンガとのコラボ企画「阪神甲子園球場100周年記念マンガコラボムービー」を制作した。コラボムービーには、『ドカベン』『巨人の星』『タッチ』『ROOKIES』『ダイヤのA』など、出版社の垣根を超えた9作品が登場。
各世代で愛された作品を通じて、思い出の中にある甲子園を呼び起こしてほしいとの願いを込めて8月1日に公開した「聖地・甲子園篇」は、各作品の単行本全269巻から厳選された甲子園にまつわる名シーン・名セリフで構成され、高校野球の臨場感や、甲子園さながらの...