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マーケティングにおける動画活用

広告主なら知っておきたい、CTVにおけるアドベリフィケーション

武田 隆氏(DoubleVerify Japan)

コロナ禍で普及が進んだコネクテッドTV。スマートフォンなどとは違った視聴スタイルを付加価値に、これまでにない広告枠として期待されている。しかし、新たな広告商品が登場すると問題視されるのが品質だ。CTVの広告品質を守るために、広告主が知っておきたい知識を武田隆氏が解説する。

米国のデジタル動画広告費 CTVが3分の2を占める

広告配信チャネルの増加に伴い、広告費の消化傾向にも変化が現れています。国内のビデオ広告市場規模は2021年には5000億円を突破し、2022年には6000億円を超えると予想されています。

動画配信サービスの普及に伴い、今後ますます注目されると予想されるのがコネクテッドTV(以下、CTV)を媒体とする動画広告市場。2020年から2021年にかけて、動画配信サービスによるCTV視聴が拡大したことで、CTV広告の市場規模も対前年比337%と大きく伸長、今後も高い水準での成長を継続すると予想されています(SMN調べ)。

インターネット上で配信されるコンテンツ配信サービスの総称をOTT(Over-The-Top)と呼びますが、そのチャネルの一部としてCTVがあります。CTVは、Amazon Fire TVやPlayStationといったスマートTVやゲーム機などの接続機器や専用機器を介して、インターネットに接続された家庭用の大画面テレビなどのテレビセットです。

CTVによる動画視聴の拡大は世界的な傾向です。特に米国では、2022年には2億2300万人以上のユーザーが存在すると予測され(eMarketer調べ)、そのターゲットの多さから、今年初めて米国のデジタル動画広告費の3分の2以上をCTV広告が占めると言われています。別の見方をすれば、デジタル動画広告費の大半は、動画配信サービスに流れているということ。CTVは、デジタル広告予算の中でより大きな割合を占めるようになっているのです。

CTV広告の配信技術は開発途上 必要なのはベリフィケーション

CTVの普及に伴い、CTV広告もその高い視認性や、複数ユーザーによる視聴が可能である点など、これまでのデジタル広告にはない新たな付加価値を持つ広告商品として期待されています。そのため、今後広告主からのCTV広告における需要が高まると予想されると同時に、広告配信面における広告の品質がこれまで以上に問われると予想されます。

CTVにおいては、広告配信技術や品質測定基準といったテクノロジーが、業界的に未だ開発途上であり、業界標準の規格や仕様がまとまっていないのが現状です。だからこそ、独立した第三者によるベリフィケーション(検証)を通じて、広告主および広告会社自身が広告品質の担保・向上を...

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