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デジタルだけでブランドはつくれるか?

国民的認知を持つブランド 令和時代のコミュニケーション5選

昭和・平成とテレビなどで圧倒的なブランド力を築いた企業では、令和時代、どのようなコミュニケーションを行っているのだろうか。月刊『宣伝会議』の連載「ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略」で掲載した事例から、広告活動の変化を紐解く。

Case1

ファンから広がる遊び心 モンデリーズ・ジャパン「オレオ」

→Since 1912


発売当初から、クッキーとクリームに“分けて食べる”というユニークな食べ方を訴求していた同商品の日本発売は1987年。抹茶や桜など日本らしいフレーバーを展開し、女性やファミリーなど購買層を拡大していった。

2016年に放映開始したテレビCMでは、大森南朋さんや染谷将太さんを父親役に起用し、家族の団らんを描いた映像を制作した。近年ではコロナ禍により、目新しいものより食べ慣れた馴染みのある味に注目が集まる傾向がみられたことから、改めて定番商品の展開に注力。またSNSや店頭では、オレオを使ったレシピを発信。レシピを再現したファンによるSNS投稿も多く見られており、その情報がまた拡散されるという発信の輪が生まれている。

Case2

“休む”選択肢を提示した風邪薬 シオノギヘルスケア「パイロン」

→Since 1961


1961年に発売した「パイロンカプセル」をはじめ、時代のニーズにあわせて風邪薬のラインアップを拡充してきた同社。大きな転機となったのが2017年の『パイロンPL顆粒』の発売だった。同製品は、医療用として1962年に発売した『PL配合顆粒』(塩野義製薬)をOTC医薬品として開発したもの。薬が入っている小袋の認知度が高い点を生かし、POPやテレビCMではそのなじみのあるビジュアルをアイキャッチとして活用した。

また2019年「パイロンPL錠」発売時、店頭ボードにて「かぜ?だったらしっかり...

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