広告マーケティングの専門メディア

           

デジタルだけでブランドはつくれるか?

サイボウズ、一点突破の機能訴求―デジタル発企業のテレビCM戦略(2)

山田 幸氏、渡邉華子氏(サイボウズ)

サイボウズではこれまで、働き方改革を呼びかける企業広告や、オウンドメディア「サイボウズ式」の運営など、「チームワークあふれる社会を創る」というパーパスを掲げた企業コミュニケーションに注力してきた。そんな同社が2020年、クラウドサービス「kintone(キントーン)」で初のテレビCMを出稿。その狙いについて話を聞いた。

サイボウズ▶▶「kintone(キントーン)」

コミュニケーションのポイント

☑テレビCMでは表計算ファイル利用時に起きる課題解決に絞って訴求

☑ターゲット層以外も楽しめるクリエイティブ

☑認知獲得後のCMでは具体的な使用シーンを提示

認知がないと検討に上がらない テレビで一気にメジャー感つくる

2011年のリリース当初、「ドラッグ&ドロップで簡単にアプリを作成できる」として、情報システム部に向け訴求していた「kintone」。2015年頃からは決裁権を持つ業務リーダー層へアプローチ。その後、ツール導入のためには決裁者のみへのアプローチだけでは不十分だと感じ、現場担当者、経営層、そして再びシステム部門にターゲットを広げた。

CMを検討し始めたのは、世の中でIT投資に対する機運が高まってきている2020年頃。「認知が獲得できていないと、ツール検討の土台にすら上がらなくなってしまう危機感があった」と山田氏は話す。

案件管理や申請業務、業務日報など、あらゆる用途に応じた業務アプリを作成する機能を持つ同サービス。その結果「結局何ができるのか」と尋ねられることも多かった。そこで、「チームで使うツールならkintone」「後継経営の業務改善ならkintone」「仕事にストレスを感じたらkintone」など、ターゲットごとにエボークドセットを増やすことを重視してきた。そうしたなかテレビCMでは、表計算ファイル利用時に起きる課題解決機能に絞った訴求を行った。

テレビCMで重視したのは“メジャー感”。また、メインターゲットであるビジネスパーソン以外の誰が見ても楽しいと思える、お茶の間に好かれるクリエイティブを目指した。

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

デジタルだけでブランドはつくれるか? の記事一覧

デジタル時代の顧客経験とブランド構築
デジタル時代のブランド構築 つながる価値をいかにつくり上げるか?
国民的認知を持つブランド 令和時代のコミュニケーション5選
「おせっかい」と「共創」をテーマに 丸亀製麺のブランディング戦略
『エンタメ感』を演出する、Qoo10のCM―デジタル発企業のテレビCM戦略(4)
Duolingo初CMで狙う利用者層とは―デジタル発企業のテレビCM戦略(3)
サイボウズ、一点突破の機能訴求―デジタル発企業のテレビCM戦略(2)(この記事です)
認知率が5倍に上昇、ヤプリの次の一手―デジタル発企業のテレビCM戦略(1)
新生パナソニックグループはいかにして企業ブランドを構築するのか?
「人」を起点に新たな価値を提供する、資生堂のDX戦略 
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する