コンバージェンスカルチャーと文化的アクティビズム
韓国のボーイズグループBTSには、パステルカラーがよく似合う。MVではパステルブルーの空を背景に、淡い色のコスチュームで軽やかに踊り、歌う。まるで舞い降りた天使みたいに透明で明るくポップだ。
コロナ禍にもかかわらず、世界の音楽市場は成長し続けている。それを支えているのはサブスク型のストリーミングサービスだ。日本ではいまだフィジカル系の比率が高く、遠からず、現在の音楽市場規模世界2位の位置から滑り落ち、中国、韓国に追い抜かれると予想されている。
そんな中、世界の音楽シーンを席巻したのがBTSだ。2021年には米ビルボードの年末決算チャート全9部門で1位に。グラミー賞にも2年連続でノミネートされた。
注目すべきは彼らのファン達ARMYである。BTSはソーシャルメディアを介して緊密な関係を築くことで、世界の頂点に上り詰めた。そのプロセスはコンバージェンスカルチャー(参加型文化)の重要なモデルといえる。何度か炎上問題を起こすものの真摯な対応で評価を高め、信頼関係は強まったといわれる。
彼らはユニセフに協力して「LOVE MYSELF」キャンペーンを開始し、2018年から3回、国連でスピーチを行った。パフォーマンスは国連YouTubeチャンネルで公開され、1日で1300万回を超える再生回数を...
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