メディア・デバイス環境の多様化により、昨今の生活者のメディア接触行動は大きく変わりつつある。そしてマルチデバイス化に呼応する形で進んでいるのがマルチプラットフォーム化。スマートフォン内のアプリやSNSを行き来する行動だ。そんな中で企業が広告・マーケティング戦略を考えるには、デバイスごとの特性を鑑みたものだけではなく、その奥にあるプラットフォームも考慮する必要がある。ここでは変化が激しい生活者のメディア接触行動を、調査データを用いて読み解く。
携帯/スマホの接触時間 初めてテレビを上回る
2022年のメディア総接触時間は445.5分(1日あたり・週平均)。過去最高を記録した昨年からは6.4分減少した。うち、「携帯電話/スマートフォン」の接触時間は146.9分。昨年から7.7分増加し、今年初めて「テレビ」の接触時間(143.6分 昨年から6.4分減)を上回った。「雑誌」「タブレット端末」は微増。それ以外のメディアは減少した。
進む接触メディアの分断化 テレビ一強の時代は終了?
メディア総接触時間の構成比によると、テレビが32.2%。5割以上を占めていた2006〜2009年と比較すると約20%の減少が見られる。一方、携帯電話/スマートフォンの今年の構成比は33.0%。テレビとほぼ同率の結果になった。このように2つのメディアで同等の構成比を占めていることから、現代生活者の接触メディアの分断化が進んでいると言えそうだ。
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