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「顧客理解」のためのデータ利活用

JTが実践する「LTVを高めるデジタルマーケティング」とは?

平谷朋也氏(日本たばこ産業)

日本たばこ産業(以下、JT)は2021年、デジタルマーケティング推進部を設立。マーケティング組織の中にデジタル専門の部署を設けた。なぜ今、デジタルマーケティングに注力するのか。過去10年以上にわたり取り組んできた施策についてJTの平谷朋也氏が解説する。

※この記事は6月8日に開催した宣伝会議主催の「SIMC」の講演内容をもとに作成しています。

総需要は減少、価格は上昇 LTVを高めるためのデジタル施策

JTは2021年7月、加熱式たばこの新ブランド「Ploom X」の提供を開始しました。当社が「Ploom X」で実現しようとしているのは、ブランド体験、製品体験、そしてデジタルでの体験を融合することです。この融合に行きつくまで、どのようなデジタル施策を進めてきたのか。なぜ今デジタルマーケティングに注力するのかを話します。

まず、当社がデジタルマーケティング活動を迫られている理由は3つあります。1つ目が、たばこという商材に課せられた広告・マーケティング活動の厳しい規制です。どのような規制があるかをマーケティングの4Pで説明すると、「Place(販売場所)」は許可制。「Price(金額)」は定価制。そして、「Promotion(販売促進)」の面については、成人かつ喫煙者にしか原則として広告を届けてはならない。

つまり、多くの生活者の目に触れるマス広告などは打てません。そのため、顧客接点はたばこ以外の商材と比べると著しく少ないことがわかると思います。

厳格な成人確認が技術的に可能であるデジタルは、当社がこれからも永遠に向き合っていく必要がある先述の規制を乗り越える手段です。まず、当社が運営するサイトに入るには成人、かつ喫煙者か否かを申告してもらう必要があります。従来のたばこ店などで行っていたアナログな手法に比べると、厳格な成人確認が可能です。より安全にプロモーション活動ができるようになりました。

2つ目の理由は、LTVとロイヤルティ向上の重要性が高まっていることです。近年のたばこの総需要は減少傾向。一方、価格は上昇しています。この状況を考慮すると、いかにひとりのユーザーに商品を長く買い続けてもらうかが重要。つまり、LTVの向上やロイヤルティの醸成が今後のJTの利益につながるのです。

最後が加熱式たばこの登場。これにより、お客さまの行動がガラッと変わりました。紙巻たばこが主流だった時代は、1箱400~500円ほどの単価のたばこを使い切るごとに買うという消費行動。手に取りやすい価格ということもあり、当社の銘柄をトライしていただく機会を、店頭を主として創出することが、プロモーションの主戦場でした。

しかし、加熱式たばこのデバイスの価格は...

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