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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

SNS広告のクリエイティブ 共感醸成の第一歩とは?

森竹アル氏(スパイスボックス)

    「SNS広告クリエイティブ」の極意

    ☑共感のつくり方は興味度合いによって使い分ける。

    ☑SNS上にある生活者の共感文脈を読み取って、そこに商品の特徴を掛け算する。

    ☑第三者の力を借りた方が、リアリティが伝わり共感を得られやすい。

SNSの使い分けは生活者のモード(態度)で考える

皆さんは自分の会社の情報をSNSで発信していく役割や責任を担ったら、まず何を考えますか?何を発信するべきか、社内の情報を整理することから始めますか?それとも、まずは経営陣や上司、同僚に相談してみますか?

結論を言えば、今あげたいずれの回答も適切とは言えません。なぜならSNSは、社内に閉じた思考では活用できないからです。どんどん外に意識を向けてください。なぜならSNSは生活者がどう受け止めるか、反応がすべて可視化される戦場だからです。

反応次第で会社の情報はポジティブにもネガティブにも振れます。もしかすると反応が全くないこともあるかもしれません。共感というポジティブな反応を得るにはオープンマインドで生活者のリアルな声を聞くことが第一歩となります。何を発信するかではなく、「何を求められているか」から入りましょう。情報の受け手となる生活者のことを良く理解し、そこから逆引きしつつ考えていきます。

それでは、どのように生活者を理解すればよいのでしょう。まずは、生活者が複数あるSNSプラットフォームをどのように使い分けているかから紐解いていきましょう。

Instagram、Twitter、LINE、YouTube、TikTokといった主要SNSは、毎日のように使われています。どんな時に、どんな目的で使われることが多いのかを知っておきましょう。これを生活者のモード(態度)と呼んでいます。当社では年に1度、若年層を中心にSNSプラットフォームの利用実態についてのインタビュー調査を実施しています。当然、利用方法は多様ですのでこの限りではありませんが、多くの人が似た傾向を持っています。次の4パターンに分類できます。

①何となくチェック/気になっている物の検索→Instagram、YouTubeに多い。

②隙間時間や寝る前に楽しむエンタメとして→YouTube、TikTokに多い。

③ニュース(トレンド)や仕事関連の情報(反応)チェック→Twitterに多い。

④リアルな人間関係での連絡/お得情報の活用→LINEに多い。

自分も1人の生活者だと仮定してみると大きな違和感はないのではないでしょうか。このようにSNSプラットフォームによって明らかにモード(態度)が違うので、発信側としても、すべて同じ情報ではなくニーズに沿った使い分けをするべきです。

効率の良い使い分けの方針をまとめると、Instagram、YouTube、TikTokは購入意向の向上につながりそうなコンテンツを準備、Twitterは利用者数が多いため公式情報を定期的に発信・また本音が出やすいので評判確認ツールとしても活用、LINEは友達登録を活用したリピート促進・お得情報の拡充、といった具合です。このような整理のもと自社にとってのSNSプラットフォーム使い分け方針を定めておきましょう。

共感のつくり方はファネル構造で使い分ける

続いて、共感を醸成する発信内容(=コンテンツ)はどのようにつくればよいかについて、です。ここでも生活者視点に立って考えます。商品に対する生活者の興味度合いを図式化したファネル構造(=入り口が広く出口が狭くなっていく漏斗の形の図)をイメージしてみてください。

一般的には「認知」→「興味・関心」→「比較・検討」→「購入」と4層に分けます。このうち、どの層にいる人を対象にしたいかで対策が変わってきます。

たとえば、①「認知」層に対しては、商品・サービスについては関心も高くない状態なので、商品情報を中心にした内容では興味すら持ってもらえず、共感を促すのは非常に難しい。逆に、②「興味・関心」「比較・検討」層に対しては、どのような切り口で提供される商品情報であれば共感してもらえるのか、を深ぼった方がよいということになります。共感してもらえるコンテンツのつくり方は、大きくこの2パターンに分けて使い分けます。

認知層には共感文脈との掛け算をする

「認知」層を対象にしたコンテンツづくりは、商品情報の正面突破で共感を得るのは難しいため、既に存在している「共感文脈」を探り、そこに商品情報を掛け算していくことになります。「共感文脈」というのは、世の中の多数の人々が共感していくことで、できた大きな“うねり”のようにイメージしてください。SNSの普及によって、あらゆる人々があらゆる情報に反応できるようになったことで、このような“うねり”が頻繁に起きるようになりました。

日々、世界中で発生する数々の出来事、メディアや企業、個人、どこかの誰かの発信に対して...

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