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ワークデイコンシューマーを捉えるMicrosoftの戦略

Microsoft

マイクロソフトによる2つ目のプログラムDeep Dive Sessionでは、Microsoft Advertising担当、コーポレートバイスプレジデントであるロブ・ウィルク氏と、国際大学国際経営学研究科 准教授であるアレッサンドロ・コマイ氏が登壇。調査の結果明らかになった「ワークデイコンシューマー」の登場と、彼らを捉えたマーケティングを行う重要性についてディスカッションを行った。

Microsoft Advertising担当、コーポレートバイスプレジデントのロブ・ウィルク氏と、国際大学国際経営学研究科 准教授のアレッサンドロ・コマイ氏。

コロナ禍でPC利用時間が増加「ワークデイコンシューマー」とは

コロナ禍によって起きたビジネスシーンの変化について問われたロブ氏は、まず人々の時間の使い方が変わったことを指摘。職場への出勤ではなく在宅勤務が普及したことで、「業務の合間にこまめな休憩時間は挟むものの、働く時間そのものは相対的に長くなった」という。

これにより、消費者が使用するデバイスについても変化があった。2022年3月にマイクロソフトの依頼を受けてフォレスターコンサルティングが行った調査によると、コロナ禍以前と比較しておよそ6割以上が「PCを利用する時間が増えた」と回答【図表1】。この変化は、ワークデイコンシューマー(仕事と生活の境界が曖昧になった消費者)の登場による、とロブ氏は語る。つまり通勤時はスマートフォンで職場ではPC、という使い分けが曖昧になり、自宅で常時PCの前にい続けるという環境が生まれたのだ。

図表1 日本におけるワークデイコンシューマーの行動
調査対象:日本在住の18歳以上の会社員で、過去6カ月以内にPC(デスクトップまたはノートパソコン)でネットショッピングをした535人。

出典:マイクロソフトを委託元としたフォレスターコンサルティングによる調査(2022年4月実施)

同調査によると、「業務用のツールをプライベートの用事にも使用している」と回答した人は約61%。そのうち約半数が購入を検討している製品・サービスの調査を行い、37%が購入に至っている。また半数以上が「コロナ禍で仕事の合間に買い物をする量が増えた」と回答するなど、今後もPCでの検索行動やEC利用は増えると予測。そうした人々を捉える手法が求められるだろうとロブ氏は語る。

CMで商品を認知した後の受け皿としての「検索」

続いてロブ氏は日本独自の広告活動の特徴として、マーケティング活動においては多くの広告予算がテレビCMに投下されていると指摘。

「CMを観て商品に興味を持った消費者が次に起こすアクションは、おそらく『検索』です。このとき、検索結果で現れた商品がもし同業他社のものだったら?他のメディアで形成した認知をキャッチするための『箱』として、検索行動を捉えることが重要ではないでしょうか」とロブ氏。

「ブランド形成においてテレビCMは重要視されてきました。このとき、消費者がその商品を好きか嫌いか、買うか買わないかは、検索結果を見れば一目瞭然。ひとつの指標として『検索結果』の信頼性は高くなりました。また先述の通りPCを使用した検索・購買行動が増加していることからも、検索時にブラウザに表示されるネイティブ広告の重要性は増していると考えます」。

これに対しアレッサンドロ氏は、カスタマージャーニーの受け皿としてこうしたデジタルデータを分析し、個々のプロフィールを深く理解することの重要性を指摘する。

ロブ氏はそうした環境において、今回日本国内でローンチするMicrosoft 広告は効力を発揮すると説明。人々がどのようにものを購入しているか、検索データやブラウジングデータ、LinkedInの情報などを基にして、緻密なキャンペーンやターゲティングが可能になると話す。このとき、日本におけるWindows系ブラウザ使用率の高さが、そのままMicrosoft 広告を使った広告活動のパワーに転化され、オーディエンスの「取りこぼし」を防いでくれるのだ。

ゲーマーの消費行動も注視し拡大する市場をリードする

また「消費者の変化においてどのような部分に注視しているか」というアレッサンドロ氏の問いに対して、ロブ氏は拡大するゲーム市場について触れた。

「ハードやソフトが大きく進化し、それに伴い“ゲーマー”と呼ばれる人たちの行動も変化しました。当社でもXboxという据え置き型のゲーム機を販売していますが、今やゲームをプレイする方法はPCやスマートフォンなど様々。手軽に楽しめるゲームが世界的な人気を博している一方で、メタバースのような、これまでにない体験の場も広がっている。業界のトレンドを注視して、確実に市場をリードしていきたいと考えています」(ロブ氏)。

ローカライズによる手厚いサポート 市場全体の成長につなげたい

Microsoft 広告は、2022年末までに150を超える国と地域での展開を予定している。日本市場への本格参入にあたっては、プラットフォームの日本語化や専門チームのサポート等、よりローカライズしたソリューション提供を行っていく方針だ。

なかでも、日本は世界で有数のEC市場規模を誇るとし、こうしたソリューションの活用により、企業にとっての大きなチャンスが広がっているという。

ロブ氏は最後に、「これまで述べてきたように、誰かがブラウザで検索をする、一つひとつの行動が、非常に市場性が高いモーメントなのです。これらとオーディエンスデータを掛け合わせる、こうしたデジタルデータの活用が、マーケティング領域だけではなく、経済全体の成長につながると考えています」と締めくくった。

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