SUBARUでは各事業部が主導してWebサイトの更新、開発を進めてきたため、複数のWebサイトが存在する状況となっていた。Webサイトの最適化とリスクマネジメントの観点から、社内で統一したWebサイトのルールを策定して、活用を推進することに。本プロジェクトを推進するSUBARUの荒木孝充氏、迎 俊博氏、パートナーとして支援するアンダーワークスの米倉 礼氏、佐藤 瑶氏、姫田 樹氏に話を聞いた。
一方的にルールを押し付けず実現したい目標をサポートする
──Webサイト運営事務局立ち上げの経緯について教えて下さい。
荒木:Webサイト運営事務局を立ち上げたのは、今から3年前のこと。当社では各事業部が個別にWebサイトを構築・運営をしていたため、大小のインシデントが発生していたという事情があったことが立ち上げの理由です。運営だけでなく各事業部が同カテゴリーのデジタルツールを別々で契約している例もありました。調べていくなかで、その時点で顕在化した問題があるわけでなくとも「これでWebサイトを有効に活用できているのだろうか?」と疑問を抱くように。改めて全社的なガバナンスの必要性を感じました。
Webサイトの運営においては、何かインシデントが発生した場合に、組織内にとどまらず、広い範囲で影響が及びます。まずはセキュリティが最重要課題となりますが、我々の力だけでは解決できないと考え、知見のあるアンダーワークスさんに相談しました。
米倉:プロジェクトがキックオフした3年前は、SUBARU内にWebサイトがどれだけあるのかなど、まずは現状の把握と整理から始めました。皆さんが必要に迫られて、Webサイトを立ち上げていたわけですが、結果的に一部のWebサイトでは、セキュリティ面の脆弱性が明らかになってきました。
荒木:私たちも驚いたのですが、実際に作業を始めてみると、SUBARUグループ内にいくつのWebサイトがあるのかわからない状態になっていました。そのため個々の部門にヒアリングをしながら、まずは全体を把握していく作業を実行。ようやく全体像が見えてきました。
──Webサイト全体を把握し、その上でどのような働きかけをしてきたのでしょうか。
荒木:現在の活動は大きく分けて2つあります。まずひとつはルールづくりです。各種ガイドラインを設定し、社内に周知し、順守を要請しています。
もうひとつが...