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宣伝会議賞

第59回「宣伝会議賞」 一次審査講評(1)

審査員に今回の審査を終えての講評を聞きました。

    CHERRY
    青木一真

    メディア環境や生活様式が変わっても、人と人がいて、そこにコミュニケーションが存在する限り、コピーライティングの技術は価値を持ち続ける。60万もの応募数と沸るような熱量に触れて、改めてそう感じました。入賞されていませんでしたが、VAIOの「人間なら、彼氏にしたい。」というコピーが好きでした。

    赤城廣告
    赤城廣治

    今回も過去最多の応募があったとのことですが⋯一次審査で遭遇するのが、切り口は全く一緒で「てにをは」や単語をほんの少し変化させた案が、ズラリと並ぶ状態。その中でのベストを選び、二次審査へつなぎますが⋯そこは絞り込んで応募いただければと。キラリと光るコピーには、そうした迷いを感じさせない潔さがあります。

    ガリアーノインスピレーションズ
    阿部光史

    審査中に考えていること、それは「そのコピーが行動を促すか?」。商品を上手に説明するだけじゃ物足りない。じゃどうするか。まずは一人称で書く。他の誰かになりきって商品の力で良くなった変化を書いてみる。例えば商品のおかげで家の問題が少し解決した実感を描けば、読み手が良き未来を想像してくれる。次回は是非。

    電通 関西支社
    池田定博

    今年、個人的に心に残っているのは、北京パラリンピックでIPCのパーソンズ会長がされた挨拶です。「Peace!」。誰が、誰に、どこで、何を、どのように言うか。それがしっかりしているコピーがいいコピーだと思います。

    インプロバイド
    池端宏介

    膨大な数を審査するので、一個一個見るにしても、どうしても瞬時に可否を選ぶことになります。私の選定基準は「まず理解できる」「共感、納得、発見がある」「新しい切り口や視点がある」という感じで見ています。

    電通
    石田文子

    ジェンダーに対する考え方など、これまでにないスピードで常識が変化している中で「いま言うべきことはなにか?」も大きく変わってきていると感じます。コピーからは書く人の価値観が透けて見える。日々何を考えて生きているかが、とても大事だなーと改めて思いました。

    BBDO J WEST
    今井美緒

    初めて参加した審査。膨大なコピーに圧倒されましたが、切り口があるもの、独自の視点があるもの、借り物じゃない言葉は瞬時に目に飛び込んできました。アイディアに勝るものなし、と物理的な量を前に改めて思わされました。

    サン・アド
    岩崎亜矢

    コピーを一つひとつ見て受け取ったのは、素晴らしい気合いとコピーへの愛情でした。「でも」とあえてお話しさせていただきますと、もしかするとコピー愛からやや距離をとったコピーの方が「上位」に行ける可能性が高いかも、なんてことも思ったりもしています。来年も楽しみにしています。ありがとうございました。

    上田家
    上田浩和

    みんな「未来」使いすぎです。だから、それを使わずに感じさせたものにひかれた。同じ意味合いのコピーがあれば、読後感がポジティブなほうにひかれた。いいこと言おうとしすぎてないものにひかれた。でも、つい僕も、未来って使っちゃうし、意地悪なこと書いちゃうし、いいこと書きたくなっちゃうんだよなあ。

    UENOJAPAN
    上野達生

    社会性を切り口にしていく際、コロナ切り口が非常に多くありました。そこから、プライベート性をかけあわせていった切り口の作品が突破していった気がします。①今だからいえる、②商品サービス特性もきちんと語れていて、③ユニークで、④世界観がパッと広がる作品たち。世の中が変化の時は、価値観も同時に変化するので、新価値観がどんどん表にでてほしいと感じました。

    ぱんだのて
    占部邦枝

    言葉の選び方が本当に難しい世の中です。そんな中でも、どのコピーより個性的で、ターゲットに刺さるコピーを探しながら審査をしています。上手いコピーも増えたのですが、何かもう一つ物足りなさを感じてしまうことも。表現ってもっと自由でいいはずなのにな、と思ったりもしながら。ともあれ、審査したコピーが賞に選ばれると私も嬉しいです。


    呉 功再

    コピーはたのしいくるしい。だから面白い。と、今年も思う審査でした。ありがとうございました。

    電通 中部支社
    大塚久雄

    審査はとても悩むので、迷わず選べるコピーに出会ったときは「ありがとうございます!」という気持ちになります。たくさんのコピーの中で「迷わず選べる」の凄みを毎年感じます。勉強させていただきました!

    学校法人 藤田学園
    岡本達也

    新型コロナがやってきて時代は大きく変わった、変えさせられた。それまでの常識も一新された。そんな大きなうねりの最中にあって、広告コピーはどうなのだろう。一行の力の強さは普遍だと思うが表現はどこかで大きく変わってもいいのではないか。例年以上の大量の審査を終えて、送信し終わった時にふと、そんなことを思った。

    電通 中部支社
    尾崎敬久

    それは新しい視点か?言い方か?気持ちか?レトリックか?(ちなみにダジャレもひとつのレトリック)。何かが新しくないと、審査を勝ち抜くのは難しい。そして「抽象」と「具体」。抽象的なコピーより、具体的なコピーのほうが、突破力があると思うのです。心に入る突破力が。だから具体性や物語性のあるコピーは、強いです。

    フリーランス
    片桐義晴

    授賞されたみなさん、おめでとうございます。今年も実りの多い年でした。とくに中高生のみなさんの感性に驚き、これからが楽しみになりました。そして、みなさんがつくり出したコピーを改めて読みながら、いまは争いではなく、ことばで競うことの意味を、かみしめています。

    電通
    勝浦雅彦

    楽しんで書こう、とよくアドバイスするものの、コピーを大量に書くことはそこそこしんどいと思います。で、今やリアルでもデジタルでも仲間と励ましあいながら書ける世の中。気分がアガれば、きっとコピーもアガります。この賞をきっかけに友達がたくさん増えるといいですね。一人でできることなんて、限られていますから。

    博報堂
    川島章弘

    広告物の種類も増え、コピーが担う機能や役割も様々ありますが、いろいろ事情はあってもすべてねじ伏せるような言葉が見つかればいい訳で、それはいつも簡単にできることではないですが、そんなコピーを考えるうってつけの場所だなあ、と審査をしていて思います。応募された皆様、楽しめましたか?

    博報堂
    河西智彦

    今年も熱意と量がすごかったです。ただし、90%以上のコピーが誰かと被ります。かぶり具合は応募者にはわからないのですが解決法はあります。①宣伝会議の講座に通って「同じ課題のコピーがどれくらい他人とかぶるか」を知る②何かの課題の応募作品を応募者が全部見られるようにする、です。偉そうですいません⋯。

    日本デザインセンター
    川原綾子

    圧倒的な応募数に驚きましたが、審査中、通過案はどれも光って見えました。よく考えること、よく磨くこと、頭抜けようとする気持ちって大切ですね。受賞された皆さまは本当にすごい!おめでとうございます。

    博報堂
    神田祐介

    数ある作品の中で他と違う切り口で書いているコピーは、あっという間に票を投じてしまう。悩む隙を与えない、言い換えれば左脳で考える隙を与えないコピー。直感的に「よい!」って嬉しくなる、そんなコピーが所謂“抜けのよさ”を持っているんだと思います。今年もそんな隙のないいくつかのコピーに出会えて幸せでした。

    かんべ笑会
    神戸 海知代

    まだまだ、ひらめきや思いつきで書いているコピーが多いです。ホントもったいないなあ!と感じました。せっかく提出までにたっぷり時間をもらっているんだから、じっくり腰を据えて、ほんとうに伝えたいコトに向きあってみるのもいいんじゃないかと思います。○をつけたコピーのなかから協賛企業賞が出たのはよかったです。

    電通 関西支社
    絹谷公伸

    SNSなどの影響でモノを見る視点が類型的になっています。裏から、下から、超遠、超近から眺めて書かれたコピーを選びました。視点の置き方から既にコピーワークが始まっていることを認識すればええコピーが出る。かもね。

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