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メタバースとマーケティング

サンリオピューロランドのバーチャル化の背景にあるエンタメ企業の使命

町田雄史氏、佐藤 哲氏(サンリオエンターテイメント)

リアルでの体験が肝になるテーマパーク事業もメタバースの参入を進めている。「サンリオピューロランド」を運営するサンリオも、昨年12月に「SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland」を実施。どのような手ごたえを感じたのか。

「SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland」の様子。photo by ecochin.

バーチャル施策は中長期計画 コロナ禍が開始の理由ではない

メタバースの活用はマーケティングの領域だけではなく、次世代のエンターテインメントの一手としても広がりを見せている。

サンリオが2021年12月に開催した「SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland」もそのひとつだ。バーチャル上で開催した有料音楽フェスとしては世界最大級の規模。サンリオキャラクター以外に、AKB48や初音ミクをはじめとした人気アーティストも出演したことから、「新感覚メタバースイベント」として日本のみならず海外でも話題になった。

サンリオはこれまでも、同社が運営するテーマパーク「サンリオピューロランド」でのオールナイトイベントや、オンライン演劇の配信など、リアルのパークを起点に新しいエンターテインメント体験の提供に挑戦してきた系譜がある。

バーチャルイベントは初の試みであるものの、数年前からXRを利用したアトラクションやオンライングリーティングを実施してきた経緯もあり、昨年バーチャル企画の第一歩として「SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland」を開催。テーマパークとバーチャルを融合した新たなエンターテインメントの在り方を提唱した。

イベントの舞台は「サンリオピューロランド」をバーチャル化した“バーチャルピューロランド”。実際のパークには存在していない地下5階の巨大空間を創出し、フェス会場として開放。参加者が自由に行き来できる無料フロアと、アーティストのライブが行われる有料フロアに分け、フェス参加への特別感も演出した。

この挑戦を支えたのが、全体プロデュースを担当したエンターテイメント事業本部の町田雄史氏と、普段はサンリオピューロランドのプロデューサーを務める佐藤 哲氏の2人。リアルのサンリオピューロランドで提供してきたエンタメの枠を越え、サンリオ全体で新たな体験型コンテンツを創出していくことを目的にバーチャルプロジェクトを進行。2人が主体となって約2年を経て実現した。

「バーチャル活用プロジェクトはコロナ禍が理由となって進めているのではなく、全社で中長期的な方針として決まっていたものでした。そのプロジェクトの一歩目がこのフェス。参加者同士が...

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