自主プレゼンはクライアントへのエール 大切なのは「魅力の『再』発見」
提案に際して、クライアントの真の課題(イシュー)を発見することは重要です。しかし実際問題、オリエンもファーストパーティーデータもなしでクライアントも目から鱗の真の課題を発見することは難易度が高い。そこで、自主プレゼンで「真の課題の発見」より大事なのは、第三者の立場からの、クライアントの企業・ブランド・商品・サービスの「魅力の(再)発見」だと思っています。
宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本
クリエイティブチームのアイデアが結集して、広告をはじめとする施策が生まれます。ここでは、名久井氏、辻氏が選んだ、クリエイティブ・ディレクションの秀逸事例を紹介します。
このポスターを見たのは、車を運転していて、赤信号になり停車した際、右を向くと反対側のバス停の横の電照看板に掲げられていたのが最初でした。すでに夜の21時、年末の感染者の減少に多くの人は、明るい兆しを感じたはずだったのにオミクロン株の感染拡大が始まった頃で、また遠のく飲食店を思いながらこのポスターに魅了されました。すると、後ろの車からクラクションの音。サントリーという企業の持つ、広告文化に乾杯いたします(名久井氏)。
昨年の8月9日、長崎新聞に掲載された広告。世界に存在する核兵器1万3000発と、使用された2発の核兵器を新聞紙面で見せることで、その脅威を感じさせるグラフィック。シンプルだけど力強い。お手本のようなクリエイティブ・ディレクションです。世界は今ウクライナの危機に直面しています。このグラフィックを改めて世界に向けて発信するべきではと思いました。戦争からは何も生まれない。世界平和を願うばかりです(辻氏)。
あの手この手で熾烈な争いを繰り広げるモバイル戦争で異彩を放っているキャンペーンとして注目しています。生活者を巻き込む本音ベースのアプローチ。まさにイマドキなクリエイティブ・ディレクションと言えます。「若者は本当にそんなものを求めているのか?」「若者がいま一番求めているのは⋯ギガだ」企業のマーケティング活動の...