“自粛警察”的な行動への支持 国際比較で導く、日本の真の姿
日本人は集団主義だというのは、よくある日本人の特徴付けである。自分を抑えて集団に従うとか個性がないと言われるし、空気を読まないといけない、周りに合わせないといけないという同調圧力がことのほか強いのも特徴だとよく言われる。同調は集団主義の顕著な現われとみなされている。
しかし、本当に日本人は集団主義なのだろうか?こういう疑問を持ち徹底的に検証したのが心理学者の高野陽太郎氏である。氏は著書『「集団主義」という錯覚』『日本人論の危険なあやまち』などを通じて、日本人集団主義説を厳しく糾弾した。彼の主張に基づいて日本人集団主義説の当否を考えてみよう。
高野氏の批判の中心は、日本人集団主義説には実証的根拠がないというものである。日本人集団主義説を支持する著作では、「自粛警察」や「出る杭は打たれる」といったエピソ-ドや諺が挙げられることが多いが、これはエビデンスにはならない。
では、きちんとした調査や実験研究はどんな結論を出しているだろうか?いくつか見てみよう。まず、三浦麻子氏らが2020年に行った国際比較調査がある。彼らは日本、アメリカ、イギリス、イタリア、中国に住む人々に対して、「非常時には、他の人たちが政府の方針に従っているか...
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