広告マーケティングの専門メディア

           

広告業界トピックス

広告業界と「メシ」、切っても切り離せないビジネスとの関係性とは?

吉井陽交(Executive Director, Advertising Week Asia)

「メシ」がもつ重み ニューヨークでも健在

筆者が在籍していた国内大手のエージェンシー、得意先や社内での関係性のバロメーターに大きく貢献していたのは「メシ」だった。「A社のXさんとは結構メシ行ってるから万全」といったことがビジネスを裏付ける。時折、「最近あいつとメシに行っているらしいな?」と人間関係の詮索にも活用される。筆者の元上司は部下同士の「メシ」の頻度や相手との関係性をこまめにメモしていた。これは国内業界特有の文化なのか?

筆者は長い営業職から一転してグローバルでの合弁事業担当になり、頻繁に世界各地を訪れることになった。提携先の本拠地があるニューヨークは最も訪れた場所であり、世界の広告業の中心地としても得るものが多かった。

訪れる前に議事や在米中の予定を送るのだが、到着してすぐに切り出されるのは、その晩か翌日の昼に行くレストランの話が多かった。気づけばあっという間に滞在中の食事が埋まる。昼・夜では飽き足らずに朝食もしっかり入れられる。時差に参っている身には少々有難迷惑な気がするものの、「メシ文化」に染まった業界人としては断る理由もない。

映画『マッドメン』にみる 業界人の「メシ」への執着

60年代のニューヨークの広告業界を描いた『マッドメン』を観ていると、登場人物のオフィスには必ずウイスキーが鎮座していて、昼間から打ち合わせ中にグラスに注ぎ、または噂話の脇役として手放せない存在に映っていた。酒もメシも業界から切り離せない存在の気がする。

実際『マッドメン』の舞台とされるエージェンシーを訪れる機会は多かったが、同社のCEOが打ち合わせの合間によく案内してくれたのはマディソン街の...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

広告業界トピックス の記事一覧

広告業界と「メシ」、切っても切り離せないビジネスとの関係性とは?(この記事です)
雑誌の広告タイアップ記事の価値はどこに存在しているのか?
2021年下半期、新聞社発の情報が最も高まったのはどの瞬間だった?
2022年度の営業収入見通し テレビ、ラジオともに増収を予測
アフリカの広告業界事情<後編> 広告人の登竜門、「広告学校」って?
読者との交流には「安全」を、企業顧客とメディアには「柔軟性」を備えよ
減少続く発行部数、新聞離れにどう対応する?
2022年のNHK、インターネット活用に引き続き注力
アフリカの広告業界事情<前編> 「アナログを飛び越え、いきなりデジタルから始まった」
2022年、雑誌は「推し」を取り巻く『コミュニティービジネス』へと変化する
新聞各社のデジタル事業続々 経済情報に特化したサイトなどを展開
今年度、2回目のオリンピック放送 放送時間は前回の平昌大会と同等を予定
やっぱり会えるのが一番!AW NY 初のハイブリッド開催
国際雑誌連合が発表した最新レポート コロナ収束後に出版メディアが繁栄する5つの方向性
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する