総合物流企業グループとして佐川急便をはじめとした複数の事業会社を抱える純粋持株会社SGホールディングスは、2021年4月にコーポレートサイトをリニューアルした。グループ全体の方向性や多岐にわたる事業内容など、社内外のステークホルダーに情報発信するプラットフォームを整備した背景にある「広報の戦略的DX」とは。SGホールディングスの広報を担う依田氏と髙畠氏、同社のDXをサポートするアンダーワークスのメンバーに話を聞いた。
企業の人となりを理解してもらうためサイトリニューアルから着手
──SGホールディングスが2021年、サイトリニューアルを実行した狙いとは。
髙畠:SGホールディングスグループは、一番知名度が高いデリバリー事業を担う佐川急便以外にも複数の事業会社を擁しており、国際物流やロジスティクスなどを一気通貫で提供する「総合物流企業グループ」です。ただ佐川急便と比べると、認知度の高くない事業会社もあり、営業や採用において課題もありました。加えて当社グループは国内外で約10万人が所属し、グループとして経営が向かう方向性をどのように各事業会社に伝えていくかも課題でした。
そこで広報として、ウェブサイトなどオウンドメディアを使った情報発信のプラットフォームの整備が重要だと認識し、まずはサイトリニューアルに至ったのです。
依田:リニューアルに際して、サイトには大きく4つの課題がありました。ひとつはシステム面の老朽化です。セキュリティーなどの面に不安がありました。2つ目が過去からの経緯で、佐川急便のサイトと同じサーバーを使っていた点で、切り分ける必要がありました。
3つ目は自分たちでサイト上の情報を更新できなかったこと。緊急のお知らせやリリース等を自分たちで更新できるようCMSを導入したいと考えていました。4つ目は、以前のサイトがSGホールディングスの上場前につくったもので現在、とても重要になっているIRやESGコンテンツの拡充が必要でした。
このように課題として感じていることはあったのですが、私たちホールディングスの広報は具体的な事業を持つ会社の広報とは異なるので、サイトリニューアルに際して投資に対する効果を提示するのが難しい側面がありました。しかし今回、経営層の理解も得られ、サイトリニューアルを敢行することができました...