民放テレビ局のネット同時配信が本格スタートする2022年は、テレビ業界にどのような変化が起きるのだろうか。デジタル先進国は既に消費者の視聴スタイルの多様化に伴い、フロー、タイムシフト、ストックの3つのパターンがコンテンツ戦略のカギを握っている状況だという。日本はこれに追随していくのか否か。長谷川朋子氏が考察する。
デジタル時代を生き抜くカギはテレビ出自のコンテンツ戦略
スマートフォンやスマートテレビ、パソコンから地上波の放送番組が視聴できる「同時配信」に、在京民放キー局がいよいよ本格参入します。
民放共通のポータルサイト「TVer」で、プライム帯の番組を中心に5局の番組をインターネット経由で視聴できる体制がようやく整うわけですが、目的はあくまでも「テレビ離れ」対策。同時配信によってテレビ放送番組の視聴の機会を増やすことで、テレビCMの価値の低下を防ぐことが狙いです。ただし、視聴の機会が実際に増えるかどうかは未知数。つまり、コスト先行で同時配信を行う必要があることが最大の課題にあります。
先が見えないなかで唯一明らかなのは、消費者の視聴スタイルにパラダイムシフトが起こっていることだと言えます。番組コンテンツを視聴するデバイスも視聴方法も多様化しています。その背景には消費者の生活スタイルや趣味趣向の...
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