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社会の共通認識をつくる「テレビ」の力 データが出揃った先の、次なる一歩

博報堂DYメディアパートナーズ

テレビを取り巻く環境が大きく変化するなかで、ビジネスの変革が求められている昨今。それには広告主、広告会社、テレビ局が一丸となって取り組む必要がある。テレビCMの価値とは何か。施策を進める中で、それぞれがどんな課題を抱えているのか。オープンハウス、テレビ朝日、博報堂DYメディアパートナーズの3社が座談会を行った。

オープンハウス
社長室室長
兼総合推進本部 本部長
広報宣伝部長 兼 事業開発部長
加藤勤之氏

テレビ朝日
セールスプロモーション
局長
橋本 昇氏

博報堂DY
メディアパートナーズ
AaaSビジネスプロデュース局長
飯塚隆博氏

テレビは“共通認識”を構築する オープンハウスのテレビ戦略

飯塚:今日は広告主、放送局と広告会社の私の3名が、いまテレビについてどのような活用可能性を見出しているのか、話を聞いていきたいと思います。まずはお2人のこれまでのキャリアと現在の取り組みについて紹介ください。

橋本:入社後の10年間は番組編成や制作に携わり、2000年代の10年間は経営関連の部門に所属。その間、民放連で地上波のデジタル化や放送業界の規制緩和にも深く関わってきました。現在は営業部門の局長として、将来に向けての業界変化にも取り組んでいる最中です。

加藤:私は元々広告会社でメディア営業を担当していました。2018年、オープンハウスに宣伝担当責任者として入社。主にテレビCMやPRに注力しています。戸建てという商材特性から、テレビを見てWebサイトを訪れてすぐに購入するということはほとんどありません。そこで広告活動においては、いかに営業に繋げるかを重視しています。そこで私はWeb広告は集客、テレビCMは認知、と目的をはっきりと分けて戦略を組み立てています。そして、Web広告とテレビCMの間をつなぐものとして、PRを強化しています。

飯塚:ありがとうございます。最後に私から。私は入社して4年間はテレビCMのスポットの販売を担当した後、13年間はメディアプランニングの領域で200社ほどのクライアント様のお仕事をさせていただきました。その後またテレビおよび動画配信のバイイングの現場に戻り、データビジネス開発局を経て、現在はAaaSの基盤開発や、各種メディアのソリューション開発を行っています。

昨今、テクノロジーの進化でテレビの効果の可視化も進んでいます。オープンハウスではデータドリブンな戦略を重視されているそうですが、宣伝広告におけるKPIはどのように設定していますか。

加藤:私たちが見ている主なKPIは全部で3つあります。問い合わせがあった人を母数に、ひとつが最終的な購入に至った「購入率」。2つ目が「メルマガ登録者数」。3つ目が、さらにその手前にあるネット上での「指名検索率」です。

特に注力しているのが、3つ目の「指名検索」を増やすこと。この4年間でWebサイト流入の指名検索率は1%から5%まで増えてきましたが、最終的には15%は目指したい。「オープンハウス」で検索して入ってこられた方は、最終的に購入に至るケースが多く、良質なリードの獲得につながるからです。

飯塚:指名検索を上げるために重要なのは、その前の認知段階だと思うのですが、そこでテレビCMを活用されているということでしょうか。

加藤:はい。私たちのメインターゲットは若い夫婦ですが、彼らの多くは家を購入するときに、両親に相談するんです。そこで「あのCMの会社ね!」と、背中を押してもらう。ですからキャスティング含めたクリエイティブは、親世代も考慮に入れた選択をしています。

「駅近」「好立地」「便利」というキーワードを添えながらも、ユニークな映像と音で、とにかくインパクトを与える。さらに、そこに登場するタレントさんはターゲットだけでなく、親世代にも知られている人をキャスティングする。こうしたことで、共通認識をつくろうとしています。

飯塚:昨今、テレビCMの効果を可視化する各種データが登場していますよね。加藤さんはデータをどう活用していますか。

加藤:データを見ることはもちろん大切ですが、マスを対象にするテレビ広告の場合は大まかな捉え方でもよいと思っているんです。

橋本:多くの広告主がテレビCMで実現しようとしているのは、文化や世界観の構築だと思っています。テレビはコントリビューションメディアですから、直接的な消費者ではない、人の周囲も包み込んでいって知らしめていくという特性がある。家族に相談するとか、業界内での話題とかが購買に影響しますよね。

加藤:例えば「何かを買う時にまず、このお店に行ってから検討しよう」といった共通認識を醸成できるのはやはりテレビCM。個を対象とするデジタル広告では、なかなか実現が難しいと感じています。

飯塚:既存商品ならまだしも、新しいカテゴリを創造するような新商品の場合は特に、お2人がおっしゃるような共通認識の構築が必要ですし、そこではマスに向けたリーチが必要だと思います。

新たな仕組みで解決できる広告出稿の課題とは?

──今、テレビを取り巻く課題とは何でしょうか。

加藤:広告主側の視点では、CM枠の買い方に柔軟性を持たせてほしいと思っています。広告主にとってテレビCMの発注ってとても勇気がいるし、正直怖い(笑)。

コロナ禍では特に、自社の調達環境も、顧客の環境も、この先どうなるかが見通せないなか、一度発注するとキャンセルが難しいので、どうしても出稿可能なギリギリのタイミングまで引き延ばすことになり、その分価格が上がったりする。航空券のように、早割やキャンセル割といった買い方のメニューを提示していただけると、社内でも価格や方針の説明材料になるのではないでしょうか。

橋本:おっしゃる通り、テレビCMはまず料金体系に分かりづらさがあります。また送出システム上の理由から、デジタル広告のような直前の差し替えに対応しづらいのが現状です。ただ今年からインターネット同時配信がスタートするなど大きな変化があるなかで、テレビの売り方も変わっていくのではないかと思っています。

飯塚:やれることが増えて、広告主のニーズも高まっていって、それを受けて必然的に全体が変化していくということですね。

──博報堂では『AaaS』を起点にした統合運用サービスを提供し始めました。

橋本:いっとき生じていたテレビ広告に効果があるのか?という疑念を、大手広告会社が中心となって払拭してくれたと感じています。様々なプレイヤーが参入しながら、あらゆるデータが出そろったところで、さらに目に見える形で比較検討できるのは大きな一歩です。

加藤:このようなソリューションに期待するのは透明性です。全部が全部、良い結果を教えてほしいわけではなく、クリエイティブがダメ、この時間帯はダメと、ネガティブなデータも把握したうえで、検討していく必要があります。

そしてもうひとつは、スピード感ですね。施策を打った結果がすぐに分かる、使い勝手がよくなると、もっと導入しやすくなるのではないかと思います。

飯塚:ありがとうございます。ソリューションだけではなくコンサルティング領域も含めてセットで注力していますので、その部分あらためてよろしくお願いします。

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