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国語学の視点

ゴリラ、アルパカ、マレーグマ、イヌ…CMにみる動物のことば

金水 敏氏(大阪大学)

かわいい動物×人間語 意外性が生み出す様々な効果

CMには、実写、アニメーションを含めて結構動物が登場する。登場する動物は概ね愛らしく、見るだけで人を癒やす効果がある。かわいい動物が登場するだけで、目を惹きつける効果がある。その上に、CMの動物はしばしば人間のことばを話すことがあり、その意外性に様々な効果が期待できるのだ。

目に付くCMを分類すると、「ひと言型」「脱力型」「不条理型」「暗喩(メタファー)型」くらいに分けられそうだ。

「ひと言型」は文字通り、ひと言しか言わないタイプで、ENEOSの「ウッホ」や、かつてのクラレのCMに登場したアルパカの「ミラバケッソ」がこれに当たる。これは、一目見ての好感度に賭けているタイプだ。

「脱力型」の代表は、日清紡の「クマーシャル」に登場するマレーグマ。「はたらけど」編では、ぐったり座り込むマレーグマがこう独り言を言う。「はたらけど はたらけどなお ニッシンボー知られざりけり ぢっと手を見る。(と言っておもむろに足の裏を見る)これは足だった。(はー)」。

知名度がなかなか上がらない日清紡の社員の苦悩が伝わるようでもあるが、くすっと笑えて「こういうことってあるよなー」という共感が得られれば、CMとしては成功なのだろう。以前は「ドッグシアター」と称して犬の...

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