レトルト食品は、その保存性と簡便性により、コロナ禍でさらに市場が拡大した。内食が増えたことによる“調理疲れ”に応えたほか、在宅勤務時の昼食でのニーズが高まっている。「カレー」や「シチュー」を主力に、多数のラインアップを揃えるハウス食品で調理済み食品領域を担当する、清水愼太郎氏が解説する。
Q1 2021年の消費傾向の特徴をどう捉えていますか?
レトルト製品は売上が拡大傾向にあります。その要因として、コロナ禍による内食機会の広がり、調理疲れによる簡便食の利用シーン拡大が挙げられます。
外食機会の減少により、内食でも少し良いものを食べたいという傾向が出てきており、少し価格が高めの商品が求められています。また当社の主力商品である「咖喱屋カレー」「プロ クオリティ」では、2021年にそれぞれ容器包装のままレンジ加熱が可能なパウチにリニューアルしました。レンジ対応の価値に気づいていただくために、温め方の違いで調理時間が短縮され、家庭からのCO₂排出量が削減できることを発信しました。
2022年秋には、弊社家庭用レトルトカレーのほぼ全てがレンジ対応化する予定です。袋ラーメンも同様に拡大傾向にあります。災害へ備えたストック食としても見直され、ユーザーも拡大しています。「うまかっちゃん」(袋ラーメン)等はエリア発売のブランドであることから、ファンとのつながりを念頭に、お土産需要や仕送り需要を意識した情報発信を展開しています。
Q2 コロナ禍前と変化したと思うことは?
前述の消費の傾向についてはコロナ禍前から表面化していたもので、それがコロナ禍という刺激によってより顕著になった、急加速したと...