『SDGs』という言葉の認知度が大きく高まった2021年。それでは、消費者の行動にこうした変化は反映されているのだろうか。日本でも高まっていると言われている「エシカル消費」の現状と今後について、環境に配慮した素材と製法でつくられたアイテムを販売する、D2Cブランド「オールバーズ」の蓑輪光浩氏が解説する。
Q1 2021年の消費傾向の特徴をどう捉えていますか?
働き方改革や勤務場所の自由度がアップしたことによって、革靴よりスニーカーを職場で着用する機会が増えてきました。なかでも黒系のシューズが、そのシンプルなシルエットと汎用性で男女ともに人気でした。また、外反母趾や浮腫など足の悩みを抱えている女性が、Allbirdsの柔らかく包み込むようなフィット感を気に入っていただき、クチコミで広がってきた実感もあります。
興味深い例として、勤務している会社でSDGs推進を強化した影響で、サステナブルなアイテムに興味関心が出て、Allbirdsに辿り着いたという話も店舗で耳にします。教育の現場ではサステナブルな事例や環境問題に関する授業も増え、大学生などが研究の一環で訪れることも。20~30代のお客さまからの反応が最もよいと感じています。
Q2 コロナ禍前と変化したと思うことは?
ビジネスのカジュアル化が進行し、スニーカーを着用して仕事をすることについてのハードルが圧倒的に下がったと思います。過去を見ても景気とスニーカーファッションは関連性があると感じていて、景気が落ち着くとシンプルなデザインを好む傾向になるのです。加えて、その背景にあるストーリーへの共感が大切になります。
緊急事態宣言が明けてからは関東圏以外の来店が...