AWアフリカ初代事務局長 Tosinに聞いた広告事情
コロナ禍前年の2019年、AdvertisingWeek(以下AW)でも世界最大の9万人が来場するNYでのイベントに参加した。その初日、翌日にセントラルパーク沿いの教会に来るようにとAWの代表Mattから連絡があった。
教会に着くと、顔なじみのAWのスタッフが入り口から手招きしてくれた。中に入るとNYとは思えない極彩色のデコレーション、そしてアフリカ系アメリカ人とは明らかに違う、鮮やかな民族衣装に身を包んだ多くの人たちに驚く。そう、AWが初のアフリカでの開催を記念して、アフリカ初の黒人大統領の偉業を記念したネルソン・マンデラ財団とのチャリティー・パーティを開催していたのだ。
シャンパンを片手に紹介されたさまざまな人のなかに、AWアフリカの初代事務局長に就任したTosinがいた。南アフリカにて翌年初の開催となるAWは政府の協力も得て、アフリカの若者、そして学校も巻き込んで世界のデジタル広告を普及させる画期的なイベントになると、彼の熱い思いを聞いた。
その後の南アフリカ情勢とコロナ禍が相まって、初のAWアフリカ開催はまだ実現できていない。とはいえ遠いアフリカでの広告ビジネスには興味が尽きない。
この連載がアフリカの広告事情を紹介する良い機会になると思いつき、2年ぶりにTosinと話してみた。久しぶりの彼から最初に出てきた言葉は「アフリカの広告事情も世界と一緒だよ」というものだった。そういえば電話線を引くよりもコストがかからないのでアフリカでの携帯の普及は抜群に速かった。モバイル主導の広告に一気に飛び込んできたのがアフリカかもしれない。