9月17日に世界配信となったNetflixオリジナルコンテンツの『イカゲーム』。衝撃的な内容が人気を呼び、配信4週間後には視聴者が1億1100万人を超える同社最大のヒット番組となった。番組本編に広告は含まれないが、千載一遇の機会を逃したくない米企業は、主にSNSなどで『イカゲーム』をテーマにしたマーケティングを展開している(以下ネタバレ含む)。

○・△・□・☆マーク 「型抜きお菓子」などを広告に
SNSでよく見られるのは、ドラマで使われた象徴的な形をデザインに取り入れた広告。ハイネケンのロゴは「Heineken」の文字の上に赤い星マークをあしらったデザインが印象的だが、同社のInstagramの投稿では、その赤い星の両隣にドラマでおなじみの「○・△・☆・☂」マークが並ぶ。
また劇中の「ダルゴナ」と呼ばれる型抜きお菓子を使うゲームでは、4つの中から好きな形を選ぶルールとなっているが、ある意味ゲーム内では、それが生死を分ける選択となった。
そこでハイネケンのInstagramのコピーは「(☆は)Easy choice(簡単な選択)」とユーモアあふれる広告に。また、#dalgonaが付けられた、ダルゴナづくりやパロディー動画などのTikTokの投稿は10月末現在で17億回以上再生され、最もホットなネタとなっている。そしてバドワイザー、ペプシ、ブルックスブラザーズなど多くの企業が自社製品の形やロゴでオリジナルのダルゴナをつくり、SNSで話題となった。
(1)ハイネケン 限定コピー

『イカゲーム』で行われたゲームやスタッフ着用のマスクに描かれていた○・△・☆・☂マークを使ったハイネケンのInstagram。「死の選択」となった4つのチョイスを「☆は簡単な選択」と投稿し、ユーモアに転換した。
(2)オリジナルダルゴナ

バドワイザー(左)ペプシ(中央)ブルックスブラザーズ(右)などもオリジナルのダルゴナをつくり、Instagramに投稿。
ドラマのシーンを使ったパロディー広告 業種・業界問わず人気に
ドラマのシーンのパロディー広告を掲載する企業も多い。バタークッキーのNutter ButterのInstagram広告は、『イカゲーム』のスタッフが着用した○・×・△・□のマスクの代わりに、クッキーを顔にかぶせたもの。
また飲料メーカーのマリゴールドHLミルクは、牛乳アレルギーの主人公がチョコミルクを要求したシーンを例に取り「彼らはチョコミルクを持っていなかったが、我が社にはある」のコピーになっている。
ボストンのデジタルコンサル会社Semrushは...