「健康的な消費のために」をコンセプトに、D2Cで衣服を販売するファッションブランド「foufou(フーフー)」。多くのD2Cブランドが日々誕生している昨今、その中でfoufouが顧客に提供する体験とは。ブランド設立者でデザイナーのマール・コウサカ氏にその考えを聞く。

ファッションブランドとして、まずは服の“かわいさ” “質のよさ”を一番の価値として提供できるよう「真面目にものづくり」を行う。その上で、社会への向き合い方、姿勢を1本の道として残せるようなブランドでありたいと、コウサカ氏は話す。
大量生産大量消費のアンチテーゼ foufouの「健康的な消費」
「foufou(フーフー)」は、私が文化服装学院に在学中の2016年に立ち上げたファッションブランドです。ハンドメイドでInstagramを使って販売したところからはじまり、SNSや定期的に実施しているWeb展示会・リアルの場での試着会などを通してお客さんとコミュニケーションをとりながら、現在もオンラインで商品を販売しています。
そんなfoufouのブランドコンセプトは「健康的な消費のために」。私は今の時代をあまり豊かではないと感じています。「なぜ豊かではなくなったのだろう」。そう考えると、それは行きすぎた大量生産と、生産工程の効率化を目指すコストカットによるところが大きいと思っています。
生産も販売も効率化され、同質化が起こり、価格競争による低価格化に陥った。これにより、なんとなく“消費”にネガティブなイメージがついているように思うのです。過剰な合理化が進む社会の中で、foufouは在庫処分やセールなどを実施せず、“自分たちがよいと思うもの”を“適度な価格”で販売することで、お客さん一人ひとりが消費に対して考えることができ、豊かな気持ちを持てるようなブランドでありたいと考え、このコンセプトを掲げています。
お客さんとのコミュニケーション設計において、意識しているのは、ライブ配信などで商品を紹介する際、“ありのまま”を“わかりやすく”伝えることです。これは、オンラインで販売しているからこそ、行っていることでもあります。
実際に商品が到着し、手にした際に勘違いにより“がっかりする”といった体験をお客さんがすることがなるべく少ないように気をつけたいです。そのため、重量感や着る上でのリスクも伝えますし、身長別のモデルを用意することで、お客さんに自身が着用した際のイメージを持ってもらいやすくしています。